第2種衛生管理者試験 2018年10月公表 問14

事務室の必要換気量




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合格

 このページは、試験協会が2018年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年10月公表問題 問14 難易度 同種の問題は頻出しているので、必ず正答できるようにしておきたい。
換気・空調等

問14 在室者が12人の事務室において、二酸化炭素濃度を1,000 ppm以下に保つために最小限必要な換気量の値(m/h)に最も近いものは次のうちどれか。

ただし、在室者が呼出する二酸化炭素量は1人当たり0.018m/h、外気の二酸化炭素濃度は400ppmとする。

(1)160

(2)220

(3)260

(4)360

(5)390

正答(4)

【解説】

必要換気量を算定するに当たっては、問題文には書かれていないが室内の二酸化炭素濃度は均一だと考えてよい。そうであれば、室内の空気中の二酸化炭素の濃度がx[ppm]であれば、換気によって排気される空気中の濃度もx[ppm]となる。一方、排気すれば同じだけの外気が室内に侵入(給気)してくるが、その濃度は外気と同じ400[ppm]である。

次に、定常状態(室内の空気中の濃度が時間によって変化しない状態)においては、室内で発生する二酸化炭素の量と、換気される二酸化炭素の量(排気される二酸化炭素の量と、外気によって給気される量の差)は等しいはずである。

換気量をV[m/h]とし、室内の二酸化炭素の濃度を1000[ppm]に保っていると考えると、排出される二酸化炭素の量Vout[m/h]は、

out=V×1000×10-6 ・・・ (1)

となる(なお、10-6を乗じているのは、ppmが百万分率だからである)。一方、吸気される量Vin[m/h]は、

in=V×400×10-6 ・・・ (2)

となる。

従って換気される二酸化炭素の量は、(1)から(2)を引いて

out-Vin=V×600×10-6[m/h] ・・・ (3)

である。これが12人の呼出する二酸化炭素量と等しくなる。

12人の呼出する二酸化炭素の量は、

12×0.018[m/h] ・・・ (4)

であるから、(3)=(4)から、

12×0.018=V×600×10-6[m/h] ・・・ (5)

となり、

V=360[m/h] ・・・ (6)

となる。

2020年08月29日執筆