第2種衛生管理者試験 2018年4月公表 問29

体温調節の仕組み




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合格

 このページは、試験協会が2018年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年04月公表問題 問29 難易度 体温調節に関する基本的な問題である。確実に正答できるようにしておこう。
体温調節

問29 体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)体温調節中枢は、間脳の視床下部にある。

(2)体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。

(3)寒冷にさらされ体温が正常以下になると、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。

(4)不感蒸泄とは、水分が発汗により失われることをいう。

(5)温熱性発汗は、全身でみられるが、特に足の裏で多い。

正答(1)

【解説】

(1)正しい。体温調節中枢の元となる自律神経系の中枢は視床下部にある(体温調節機能は視床下部最吻側に位置する視索前野にある)。

なお、体温調節に関わる皮膚血管運動を支配する血管運動中枢は、延髄循環中枢にある。

ここで、脳幹について簡単に説明しておこう。まず、脳幹は、間脳、中脳、橋及び延髄に区分される。

間脳は視床と視床下部からなる。視床下部は、自律神経系の高位中枢である。一方、視床は、視覚、聴覚などの情報を大脳皮質に伝えるための中継の役割を有する。

延髄には、心臓中枢、血管運動中枢、呼吸中枢、嚥下中枢などがある。

小脳は、平衡機能、姿勢機能、随意運動などの調節をする。

(2)誤り。体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを「恒常性」という。体温調節に筋肉はあまり関わっていない。

(3)誤り。寒冷な環境においては、皮膚の血管が収縮して血流量を減らし、血液から熱が逃げる量を減らす。

(4)誤り。不感蒸泄とは、発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失をいう。文献によっては、皮膚からの蒸散のみを指すとするものもある。不感蒸泄の量は、条件により変動するが、常温安静時には健常成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml,呼気による喪失分が約300ml)程度と言われる。

(5)誤り。温熱性発汗とは、手のひらと足の裏以外の体表面で、温熱によって発汗することをいう。この発汗によって体熱を放散し、体温調節を行う。主にエクリン腺からの発汗である。

なお、手のひらや足の裏にはアポクリン腺が分布しており、精神的な緊張などによって発汗する。体温調節の効果はない。

2020年09月01日執筆