問28 視覚に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)遠距離視力検査は、一般に、5mの距離で実施する。
(2)ヒトの眼は、硝子体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。
(3)角膜が歪んでいたり、表面に凹凸があるために、眼軸などに異常がなくても、物体の像が網膜上に正しく結ばないものを乱視という。
(4)網膜には、錐状体と杆状体の二種類の視細胞がある。
(5)視作業の継続により、前額部の圧迫感、頭痛、複視、吐き気、嘔吐などの眼精疲労を生じ、作業の継続が困難になることがある。
このページは、試験協会が2018年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2018年04月公表問題 | 問28 | 難易度 | 眼の仕組みは、頻出される内容である。確実に点数を取れるようにしたい。 |
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視覚の仕組み | 2 |
問28 視覚に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)遠距離視力検査は、一般に、5mの距離で実施する。
(2)ヒトの眼は、硝子体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。
(3)角膜が歪んでいたり、表面に凹凸があるために、眼軸などに異常がなくても、物体の像が網膜上に正しく結ばないものを乱視という。
(4)網膜には、錐状体と杆状体の二種類の視細胞がある。
(5)視作業の継続により、前額部の圧迫感、頭痛、複視、吐き気、嘔吐などの眼精疲労を生じ、作業の継続が困難になることがある。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。旧VDTガイドラインでは、眼科学的検査として5m視力の検査(遠距離視力の測定)と近見視力の検査を行うこととされていた。なお、近見視力の検査は50cm視力検査で行うことが多い。
ただし、VDTガイドラインは廃止されて新たに「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(令和元年7月12日基発0712第3号)」が策定されているが、旧ガイドラインで「5m視力の検査」とされていたのは「遠見視力の検査」と変更された。
(2)誤り。ヒトの眼は、水晶体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。
(3)正しい。乱視には正乱視と不正乱視があるが、一般に乱視といえば、正乱視のことをいう。正乱視とは、角膜または水晶体(レンズ)が、正確な球面ではないため、見ようとしている外界の物体から出た光が、眼の角膜で正確に結像しないために起きる現象である。
(4)正しい。網膜はカメラのフィルムの役割を果たす器官である。網膜の視細胞には、暗いところで働く杆状体(捍体)細胞と、明るいところで働く錐状体細胞の2種類がある。なお、杆状体細胞は、約1億2000万個あり、網膜全体に分布しているが、黄斑部にはあまり存在しない。一方、錐状体細胞は黄斑部の周囲に密集しており、周辺部にいくにつれてまばらとなる。
(5)正しい。眼精疲労では、前額部の圧迫感、頭痛、眼通、視力減退、複視、めまい、関節痛などが生じる。症状がひどい場合は、下痢、吐き気、嘔吐などを伴う。