問14 一次救命処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)傷病者に反応がある場合は、回復体位をとらせて安静にして、経過を観察する。
(2)一次救命処置は、できる限り単独で行うことは避ける。
(3)口対口人工呼吸は、傷病者の鼻をつまみ、1回の吹き込みに3秒かけて傷病者の胸の盛り上がりが見える程度まで吹き込む。
(4)胸骨圧迫は、胸が約5cm沈む強さで、1分間に100〜120回のテンポで行う。
(5)AED(自動体外式除細動器)を用いた場合、電気ショックを行った後や電気ショックは不要と判断されたときには、音声メッセージに従い、胸骨圧迫を再開し心肺蘇生を続ける。
このページは、試験協会が2018年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2018年04月公表問題 | 問14 | 難易度 | 一次救命処置に関する問題は、基本を押さえておけば確実に正答できる。落とさないようにしよう。 |
---|---|---|---|
一次救命措置等 | 2 |
問14 一次救命処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)傷病者に反応がある場合は、回復体位をとらせて安静にして、経過を観察する。
(2)一次救命処置は、できる限り単独で行うことは避ける。
(3)口対口人工呼吸は、傷病者の鼻をつまみ、1回の吹き込みに3秒かけて傷病者の胸の盛り上がりが見える程度まで吹き込む。
(4)胸骨圧迫は、胸が約5cm沈む強さで、1分間に100〜120回のテンポで行う。
(5)AED(自動体外式除細動器)を用いた場合、電気ショックを行った後や電気ショックは不要と判断されたときには、音声メッセージに従い、胸骨圧迫を再開し心肺蘇生を続ける。
正答(3)
【解説】
本問は、JRC蘇生ガイドライン2015(以下、本問の解説中において「ガイドライン」という。)からの出題である。
2010年版の旧ガイドラインと大きくは変わっていないが、胸骨圧迫のテンポが「少なくとも100回/分」から「100~120回/分」に変更されるなどいくつか重要な改定がある。
(1)正しい。ガイドラインでは、傷病者に反応がある場合についての記載はないが、救急救命措置を行っているときについて、「明らかにROSCと判断できる反応(呼びかけへの応答、普段通りの呼吸や目的のある仕草)が出現した場合には、十分な循環が回復したと判断してCPRをいったん中止してよい」との記述がある。なお、CPRとは「胸骨圧迫と人工呼吸による心肺蘇生」のことである。
(2)正しい。ガイドラインには、傷病者の「反応がなければその場で大声で叫んで周囲の注意を喚起する」との記載がある。他人に任せられることは、分担して任せた方がよいことは当然である。なお、119番通報やAEDの手配は、「誰かやってくれ」という依頼ではなく、明確に指名して依頼する。そうしないと誰もやってくれない。
(3)誤り。口対口人工呼吸は、約1秒かけて胸の盛り上がりが見える程度の量を2回吹き込む。なお、傷病者の気道を確保してから鼻をつまむことは正しい。
なお、口対口人工呼吸は、人工呼吸方法の訓練を受けていない場合、人工呼吸用のマウスピース等がない場合、及び血液や嘔吐物などにより感染危険がある場合は避ける必要がある。
(4)正しい。ガイドラインでは、成人の場合、胸骨圧迫は「深さは胸が約5cm 沈むように圧迫するが、6cmを超えないようにする。1分間あたり100~120回のテンポで圧迫する」とされている。
(5)正しい。電気ショックの必要性はAEDが判断する。なお、心電図解析中は被災者に触れないこと。