第2種衛生管理者試験 2017年10月公表 問29

ストレス




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合格

 このページは、試験協会が2017年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年10月公表問題 問29 難易度 ストレスによる健康影響等に関する基本的な知識問題。確実に正答できなければならない。
ストレスによる健康影響

問29 ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)個人の能力や感性に適合しないストレッサーは、心理的には不安、焦燥感、抑うつ感などを、身体的には疲労を生じることがある。

(2)典型的なストレス反応として、副腎皮質ホルモンの分泌の著しい減少がある。

(3)ストレスにより、発汗、手足の震えなど自律神経系の障害が生じることがある

(4)ストレスにより、高血圧症、狭心症、十二指腸潰瘍などの疾患が生じることがある。

(5)昇進、転勤、配置替えなどがストレスの原因となることがある。

正答(2)

【解説】

本問で迷いそうなものとしては(1)の「身体的な疲労」と(2)であろう。常識的に判断して、(2)が分からなくても消去法で正答できる問題である。

(1)正しい。個人の能力や感性に適合しないストレッサは、心理的には不安、焦燥感、抑うつ感などを生じる。また、ストレス反応とは、ストレッサに対処するために、消化機能や免疫力などを犠牲にして一時的に体の活動力を高めることであり、身体的には疲労を生じることがある。

(2)誤り。副腎皮質ホルモンの分泌は、心拍数や血圧を上昇させ、血糖値を高める働きがある。外部になんらかのストレッサがあると、身体はそのストレッサに対応するため副腎皮質ホルモンを供給して活動的になる。しかし、体には強い負荷がかかるため、ストレスが強い状態が続くと体は疲弊することとなる。

(3)正しい。いわゆる「自律神経失調症」とは、ストレスなどにより自律神経の働きが乱れている症状を指す言葉である。ストレスなどにより、発汗、手足の震えなど自律神経系の障害が生じている症状を自律神経失調症というのである。

(4)正しい。ストレスを受けていると、高血圧症になりやすいことはフラミンガム研究など様々な調査で認められている。また、冠状動脈硬化症のような心臓病の患者がストレスを受けると、脈が増えて血圧が上昇するために心臓の酸素必要量が増加するのに血液の供給が対応できず、心臓が酸素不足になって狭心症発作を起こすことがある。また、十二指腸潰瘍は、胃液の分泌と粘液の分泌のバランスが崩れて生じることがあり、ストレスが誘因となっていることが多い。

(5)正しい。ストレスは環境の変化によって起きることがある。昇進のような喜ぶべきことでも、ストレッサーとなり得るし、転勤、配置替えなどもストレスの原因となることがある。

2020年09月06日執筆