第2種衛生管理者試験 2017年10月公表 問05

ストレスチェック




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合格

 このページは、試験協会が2017年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年10月公表問題 問05 難易度 ストレスチェックに関する基本的な知識問題である。一般の受験者にはやや難問かもしれない。
ストレスチェック

問5 労働安全衛生法に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果等に応じて実施される医師による面接指導に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。

(1)すべての事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。

(2)事業者は、ストレスチェックの結果が、衛生管理者及びストレスチェックを受けた労働者に通知されるようにしなければならない。

(3)労働者に対するストレスチェックの事項は、「当該労働者の心理的な負担の原因」、「当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状」及び「他の労働者による当該労働者への支援」に関する項目である。

(4)事業者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い労働者全員に対し、医師による面接指導を行わなければならない。

(5)事業者は、医師による面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成し、これを3年間保存しなければならない。

正答(3)

【解説】

(1)誤り。安衛法附則第4条の規定により、第 13 条第1項の事業場以外の事業場(産業医の選任義務のない事業場=常時雇用する労働者が50人未満の事業場)については、ストレスチェックは努力義務規定となっている。

【労働安全衛生法】

(産業医等)

第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。

2~6 (略)

(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

第66条の10 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

2~9 (略)

附則

(心理的な負担の程度を把握するための検査等に関する特例)

第4条 第13条第1項の事業場以外の事業場についての第66条の10の規定の適用については、当分の間、同条第1項中「行わなければ」とあるのは、「行うよう努めなければ」とする。

【労働安全衛生法施行令】

(産業医を選任すべき事業場)

第5条 法第13条第1項の政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場とする。

(2)誤り。安衛法第 66 条の 10 第2項1文により、ストレスチェックの結果は、ストレスチェックを受けた労働者に通知されるようにしなければならないが、衛生管理者に対して通知しなければならないとは定められていない。

なお、同項2文により、ストレスチェックを実施した医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、ストレスチェックの結果を事業者に提供してはならない。衛生管理者は、ここにいう事業者に含まれる。

【労働安全衛生法】

(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

第66条の10 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

 事業者は、前項の規定により行う検査を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該検査を行つた医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない。

3~9 (略)

(3)正しい。安衛則第 52 条の9に定められている通りである。

【労働安全衛生規則】

(心理的な負担の程度を把握するための検査の実施方法)

第52条の9 事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、次に掲げる事項について法第66条の10第1項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査(以下この節において「検査」という。)を行わなければならない。

 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目

 当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目

 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

(4)誤り。安衛法第 66 条の 10 第3項により、事業者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い労働者が医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、その申出をした労働者に対し医師による面接指導を行わなければならない。すべての労働者に対して行うのではない。

【労働安全衛生法】

(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

第66条の10 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

 事業者は、前項の規定により行う検査を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該検査を行つた医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない。

 事業者は、前項の規定による通知を受けた労働者であつて、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものが医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。この場合において、事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

4~9 (略)

(5)誤り。事業者は、医師による面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成し、これを5年間保存しなければならない。3年間ではない。

【労働安全衛生規則】

(面接指導結果の記録の作成)

第52条の18 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。

 (略)

2020年09月03日執筆