第2種衛生管理者試験 2017年4月公表 問28

疲労




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合格

 このページは、試験協会が2017年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年04月公表問題 問28 難易度 疲労に関するやや高度な知識問題である。同種の出題は少なくやや難問か。
疲労

問28 疲労などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)産業疲労は、疲労徴候の現れ方により、急性疲労、慢性疲労、日周性疲労などに分類することができる。

(2)産業疲労は、生体に対する労働負荷が大きすぎることによって引き起こされるが、その回復や蓄積は日常生活ともかかわっている。

(3)作業の各局面で生じる疲労を後へ持ち越さないようにすることは、産業疲労の対策として大切なことである。

(4)近年の職場では、全身疲労のみならず、体の一部の筋肉を使うVDT 作業などによる局所疲労が問題となっている。

(5)身体活動強度(メッツ)は、身体活動の強さが軽作業時の何倍に相当するかを表す単位である。

正答(5)

【解説】

本問は、(5)の内容がやや高度だが、(1)~(4)は言葉の意味から常識で正しいと分かるであろう。消去法で正答できなければならない。

(1)正しい。小木1)は労働者の疲労を、急性疲労、亜急性疲労、日周性疲及び労慢性疲労に分類した。この考え方は、産業保健の分野では広く受け入れられている。

なお、斉藤2)は、週ごとの休日で回復する疲労を週内性疲労、回復しない疲労を慢性疲労としている。

(2)正しい。これは当然であろう。疲労の回復には睡眠がとくに重要な意味を持つ。

(3)正しい。これも当然のことである。

(4)正しい。疲労には、身体の部位により全身疲労と局所疲労がある。近年の職場では、全身疲労のみならず、局所疲労も問題となっている。

(5)誤り。身体活動強度(メッツ)とは、運動や身体活動の強度の単位である。安静時を1として、これと比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したものである。

1)小木和孝「休息要求からみた疲労の種類.現代人と疲労」(紀伊国屋書店:1991年)

2)斉藤良夫「労働者の疲労をどのように研究すべきか」(中央大学教育学論集:2005年Vol.47)

2020年09月09日執筆