第2種衛生管理者試験 2017年4月公表 問23

神経系




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合格

 このページは、試験協会が2017年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年04月公表問題 問23 難易度 神経系に関する基本的な知識問題。確実に正答できなければならない。
神経系

問23 神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成り、ニューロンともいわれる。

(2)有髄神経線維は、無髄神経線維より神経伝導速度が速い。

(3)大脳の内側の髄質は神経細胞の細胞体が集合した灰白質で、感覚、運動、思考などの作用を支配する中枢として機能する。

(4)末梢神経系において神経細胞の細胞体が集合している部分を神経節という。

(5)交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、ほぼ相反する作用をする。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体(soma)から、多数の樹状突起と1本の軸索が生えているような形状をしており、ニューロン(neuron)と呼ばれる。

樹状突起から入力された電気信号は、軸索内を通って軸索末端に伝えられ、シナプスを通して他のニューロンの樹状突起などに伝えられる。

(2)正しい。神経の髄鞘は、他の神経細胞との混線を防ぐとともに、神経伝達速度を速める役割を持っている。髄鞘は、ところどころにくびれ(隙間)があるが、神経の信号(インパルス)は、このくびれからくびれへと伝わる。この仕組みにより、髄鞘のある神経(有髄神経線維)では、髄鞘を持たない神経(無髄神経線維)より伝達速度が速い。

(3)誤り。大脳の内側の髄質は白質と中心部の灰白質の基底核とからなる部分である。なお、白質部のみを脳髄と呼ぶこともある。白質部は、大脳の各部を連絡する神経線維の束の集まりで、大脳皮質と他の部分を連絡する投射線維、大脳皮質の左右片側の内部を連絡する連合線維及び左右の皮質を連絡する交連線維からなる。

本肢は、大脳の外側の大脳皮質についての記述である。

(4)正しい。神経節とは、末梢神経の神経線維束の途中にあるコブ状の部分で、神経細胞の細胞体が集合している。機能によって、感覚神経節と自律神経節に分類される。

(5)正しい。自律神経は交感神経系と副交感神経に分けられる。交感神経は外敵に襲われた場合などに、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、副交感神経は逆に身体をリラックスさせる働きがある。

2020年09月07日執筆