第2種衛生管理者試験 2017年4月公表 問21

呼吸の仕組み




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合格

 このページは、試験協会が2017年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年04月公表問題 問21 難易度 呼吸の生理に関する基本的な問題である。確実に正答できるようにしておこう。
呼吸器系

問21 呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)呼吸運動は、気管と胸膜の協調運動によって、胸郭内容積を周期的に増減させて行われる。

(2)胸郭内容積が増し、その内圧が低くなるにつれ、鼻腔、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。

(3)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換を外呼吸という。

(4)全身の毛細血管中の血液が各組織細胞に酸素を渡して二酸化炭素を受け取るガス交換を内呼吸又は組織呼吸という。

(5)血液中の二酸化炭素濃度が増加すると、呼吸中枢が刺激され、肺でのガス交換の量が多くなる。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。呼吸運動は、胸郭内容積を周期的に増減することによって行うことは正しい。しかし、古典的な考え方においては、呼吸筋は、①横隔膜、②肋間筋及び胸壁の筋、③腹筋、④呼吸補助筋、並びに⑤上気道の筋に分類され、これらの強調運動によって呼吸を行っている。

呼吸が、気管と胸膜の協調運動によって行われているわけではない。

(2)正しい。胸郭内容積が増し、内圧が低くなるにつれ、鼻腔、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。

(3)正しい。肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。

(4)正しい。内呼吸とは、血液と体内の組織細胞の間における、酸素と二酸化炭素の交換のことである。

(5)正しい。血液中の二酸化炭素分圧が上昇すると、呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加して、肺でのガス交換の量も多くなる。

2020年09月07日執筆