問34 熱傷の救急処置などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)熱傷は、Ⅰ~Ⅲ度に分類され、水疱ができる程度の熱傷は、Ⅱ度に分類される。
(2)水疱ができたときは、周囲に広がらないように水疱を破って清潔なガーゼや布で軽く覆う。
(3)熱傷面は、すぐに水をかけて十分冷やすことが応急手当のポイントであるが、熱傷の範囲が広い場合、全体を冷却し続けることは低体温となるおそれがあるので注意が必要である。
(4)衣類を脱がすときは、熱傷面に付着している衣類は残して、その周囲の部分だけを切りとる。
(5)45℃程度の熱源への長時間接触による低温熱傷は、一見、軽症にみえても熱傷深度は深く難治性の場合が多い。
このページは、試験協会が2017年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2017年04月公表問題 | 問20 | 難易度 | 熱傷の救急処置に関する基本的な知識問題。その後の同種の出題は少ないが正答できるようにしたい。 |
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熱傷の救急処置 | 4 |
問34 熱傷の救急処置などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)熱傷は、Ⅰ~Ⅲ度に分類され、水疱ができる程度の熱傷は、Ⅱ度に分類される。
(2)水疱ができたときは、周囲に広がらないように水疱を破って清潔なガーゼや布で軽く覆う。
(3)熱傷面は、すぐに水をかけて十分冷やすことが応急手当のポイントであるが、熱傷の範囲が広い場合、全体を冷却し続けることは低体温となるおそれがあるので注意が必要である。
(4)衣類を脱がすときは、熱傷面に付着している衣類は残して、その周囲の部分だけを切りとる。
(5)45℃程度の熱源への長時間接触による低温熱傷は、一見、軽症にみえても熱傷深度は深く難治性の場合が多い。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。熱傷は、その深さによってⅠ~Ⅲ度に分類される。Ⅰ度は表皮まで、Ⅱ度は真皮まで、Ⅲ度は皮下組織まで傷害が及んだもので、水疱ができる程度の熱傷は、Ⅱ度に分類される。
(2)誤り。水疱ができたときは、破ると感染を起こしやすくなるので、できるだけ破らずに医療機関へ行く。また、やけどの面にはガーゼや布を当ててはならない。
(3)正しい。熱傷面は、服の上からでかまわないので、すぐに水道水をかけて十分冷やす。しかし、児童や高齢者では、熱傷の範囲が広い場合など、全体を冷却し続けると低体温になるおそれがあるので注意が必要である。冷やした後は患部に当てないように全身を毛布にくるんで救急車を待つ。
(4)正しい。衣類を脱がす必要はなく、むしろ脱がせない方が良い。しかし、脱がすのであれば、熱傷面に付着している衣類は残して、その周囲の部分だけを切りとる。
(5)正しい。低温熱傷とは、45~50℃程度の熱源への長時間接触による熱傷である。低温熱傷は皮膚の深い部分でゆっくり進むため、通常の熱傷より治りにくい傾向がある。低温熱傷も、Ⅰ~Ⅲ度に分類されるが、Ⅲ度の場合は皮膚が壊死しており、感染症にもかかりやすくなり治療に長期間を要する。