第1種衛生管理者試験 2026年10月公表 問06

有機則による第二種有機溶剤に関する措置

問題文

学習する男性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2026年10月公表問題 問06 難易度 有機則は銀出事項である。過去問を学習していれば正答できる問題である。
有機則の規定 4

問6 屋内作業場において、第二種有機溶剤等を使用して常時洗浄作業を行う場合の措置として、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

ただし、有機溶剤中毒予防規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。

(1)作業場所に設けた局所排気装置について、囲い式フードの場合は0.4 m/sの制御風速を出し得る能力を有するものにする。

(2)有機溶剤等の区分の色分けによる表示を黄色で行う。

(3)作業場における空気中の有機溶剤の濃度を、6か月以内ごとに1回、定期に測定する。

(4)作業に常時従事する労働者に対し、6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行い、その結果に基づき作成した有機溶剤等健康診断個人票を3年間保存する。

(5)作業場所に設けたプッシュプル型換気装置について、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行う。

正答(4)

【解説】

第二種有機溶剤に限定した問題は、2026年4月公表問題で例がある。また、個々の選択肢についてはそれ以前の過去問でも出題例がある。

(1)正しい。有機則第5条の規定により、第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務では原則として局所排気装置等の設置が義務付けられている。

同規則第6条第1項により、囲い式フードの場合は0.4m/sの制御風速を出し得る能力を有するものでなければならない。

【有機溶剤中毒予防規則】

(第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る設備)

第5条 事業者は、屋内作業場等において、第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務(第一条第一項第六号ヲに掲げる業務を除く。以下この条及び第十三条の二第一項において同じ。)に労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務を行う作業場所に、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。

(局所排気装置の性能)

第16条 局所排気装置は、次の表の上欄に掲げる型式に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる制御風速を出し得る能力を有するものでなければならない。

型式 制御風速(メートル/秒)
囲い式フード 0.4
外付け式フード 側方吸引型 0.5
下方吸引型 0.5
上方吸引型 1.0

備考

一 この表における制御風速は、局所排気装置のすべてのフードを開放した場合の制御風速をいう。

二 この表における制御風速は、フードの型式に応じて、それぞれ次に掲げる風速をいう。

イ 囲い式フードにあつては、フードの開口面における最小風速

ロ 外付け式フードにあつては、当該フードにより有機溶剤の蒸気を吸引しようとする範囲内における当該フードの開口面から最も離れた作業位置の風速

2 (略)

(2)正しい。有機則第 25 条の規定により、第二種有機溶剤等については有機溶剤等の区分の色分けによる表示を黄色で行う。

【有機溶剤中毒予防規則】

(有機溶剤等の区分の表示)

第25条 事業者は、屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、当該有機溶剤業務に係る有機溶剤等の区分を、色分け及び色分け以外の方法により、見やすい場所に表示しなければならない。

2 前項の色分けによる表示は、次の各号に掲げる有機溶剤等の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める色によらなければならない。

一 第一種有機溶剤等 赤

二 第二種有機溶剤等 黄

三 第三種有機溶剤等 青

(3)正しい。有機則第 28 条第2項の規定により、作業場における空気中の有機溶剤の濃度を、6か月以内ごとに1回、定期に測定する。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

一~九 (略)

十 別表第六の二に掲げる有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で厚生労働省令で定めるものを行う屋内作業場

別表第六の二 有機溶剤(第六条、第二十一条、第二十二条関係)

一~五十五 (略)

【有機溶剤中毒予防規則】

(測定)

第28条 令第21条第十号の厚生労働省令で定める業務は、令別表第六の二第一号から第四十七号までに掲げる有機溶剤に係る有機溶剤業務のうち、第3条第1項の場合における同項の業務以外の業務とする。

2 事業者は、前項の業務を行う屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に、当該有機溶剤の濃度を測定しなければならない。

3 (略)

(4)誤り。有機則第 30 条の規定により、健康診断の結果に基づく有機溶剤等健康診断個人票は5年間保存しなければならない。3年ではない。

なお、作業に常時従事する労働者に対し、6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行うことは正しい。

【有機溶剤中毒予防規則】

(健康診断)

第29条 令第22条第1項第六号の厚生労働省令で定める業務は、屋内作業場等(第三種有機溶剤等にあつては、タンク等の内部に限る。)における有機溶剤業務のうち、第三条第一項の場合における同項の業務以外の業務とする。

2 事業者は、前項の業務に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

一~四 (略)

3~6 (略)

(健康診断の結果)

第30条 事業者は、前条第2項、第3項又は第5項の健康診断(法第66条第5項ただし書の場合における当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「有機溶剤等健康診断」という。)の結果に基づき、有機溶剤等健康診断個人票(様式第三号)を作成し、これを5年間保存しなければならない。

(5)正しい。有機則第20条の2第2項が準用する同規則第20条第2項の規定により、作業場所に設けたプッシュプル型換気装置について、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行う必要がある。

【労働安全衛生法】

(定期自主検査)

第45条 事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(定期に自主検査を行うべき機械等)

第15条 法第45条第1項の政令で定める機械等は、次のとおりとする。

一~八 (略)

九 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置及び排液処理装置で、厚生労働省令で定めるもの

十及び十一 (略)

2 (略)

【有機溶剤中毒予防規則】

(局所排気装置の定期自主検査)

第20条 令第15条第1項第九号の厚生労働省令で定める局所排気装置(有機溶剤業務に係るものに限る。)は、第5条又は第6条の規定により設ける局所排気装置とする。

2 事業者は、前項の局所排気装置については、1年以内ごとに1回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1年を超える期間使用しない同項の装置の当該使用しない期間においては、この限りでない。

一~七 (略)

3 (略)

(プッシュプル型換気装置の定期自主検査)

第20条の2 令第15条第1項第九号の厚生労働省令で定めるプッシュプル型換気装置(有機溶剤業務に係るものに限る。)は、第5条又は第6条の規定により設けるプッシュプル型換気装置とする。

2 前条第2項及び第3項の規定は、前項のプッシュプル型換気装置に関して準用する。この場合において、同条第二項第三号中「排風機」とあるのは「送風機及び排風機」と、同項第六号中「吸気」とあるのは「送気、吸気」と読み替えるものとする。

2026年10月03日執筆