第1種衛生管理者試験 2026年04月公表 問17

金属などによる健康障害

問題文

学習する女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

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2026年04月公表問題 問17 難易度 金属による健康障害の問題は、過去問では頻出事項。内容もほぼ過去問の内容のままである。
金属による健康障害

問17 金属などによる健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)カドミウム中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害や手指の震えなどの症状がみられる。

(2)クロム中毒では、貧血、腹部のせん痛などの症状がみられる。

(3)ベリリウム中毒では、溶血性貧血、尿の赤色化などの症状がみられる。

(4)マンガン中毒では、指の骨の溶解、肝臓の血管肉腫などがみられる。

(5)金属水銀の標的臓器は脳で、その中毒では、手指の震え、精神障害などがみられる。

正答(5)

【解説】

金属などによる健康障害についての過去問は「化学物質による健康影響(金属)」にまとめてあるので参照されたい。

(1)誤り。カドミウム中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害や手指の震えなどの症状がみられるとする報告はない。

カドミウムはいわゆる「イタイイタイ病」の原因となった物質であり、急性症例の主要症状には、上気道炎、肺炎や肺水腫による呼吸困難がある。また、長期曝露による慢性影響としては、腎臓への影響などが挙げられる。なお、骨軟化がみられることも覚えておく必要がある。

(2)誤り。クロム中毒では、貧血、腹部のせん痛などの症状がみられるという報告はない。クロム中毒では、精神・神経症状(初期には神経衰弱様の症状などが現われ、その後錐体外路症候(パーキンソン症候群様症状)を中核とした多彩な精神症状が、進行性に出現してくる。)、肺炎などが挙げられる。

(3)誤り。ベリリウム中毒で、溶血性貧血、尿の赤色化などの症状がみられるとする報告はない。

なお、ベリリウムは発がん性物質である。また長期のばく露によりベリリウム肺を、短期ばく露により気道の炎症や重度の化学性肺炎を引き起こすこともある。また、ベリリウムは感作性があり、呼吸器に対してアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ、皮膚に対してアレルギー性皮膚反応を引き起こす恐れがある。

(4)誤り。マンガン中毒では、指の骨の溶解、肝臓の血管肉腫などがみられるとする報告はない。

マンガン中毒では、頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状の他、筋のこわばり、言語障害、歩行障害、震え(振せん)等の神経障害などのパーキンソン病に似た症状がみられる。

(5)正しい。金属水銀中毒では、頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、震え(振せん)、歩行障害等の神経障害、焦燥感、記憶減退、不眠等の精神障害、口腔粘膜障害又は腎障害などが現れる。

2026年07月17日執筆