問3 厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当するものは、次のうちどれか。
(1)騒音計
(2)放射線測定器
(3)検知管方式による一酸化炭素検定器
(4)アンモニア用防毒マスク
(5)化学防護服

※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2025年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2025年10月公表問題 | 問03 | 難易度 | 構造規格の対象となるものは頻出事項である。本問は確実に正答したい。 |
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構造規格の対象 | 2 |
問3 厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当するものは、次のうちどれか。
(1)騒音計
(2)放射線測定器
(3)検知管方式による一酸化炭素検定器
(4)アンモニア用防毒マスク
(5)化学防護服
正答(4)
【解説】
本問は、過去問で数多く問われている構造規格の対象となるものを問う問題である。
厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等の範囲は、安衛法第42条により定められている。この条文はきわめて分かりにくいが、別表第2に掲げるもの(及び安衛令第13条第1項に定めるもの)とされているのである。
従って、安衛法別表第2第九号に掲げる「防毒マスク」は、すべて「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等」になるはずだが、安衛令第 13 条第5項が、安衛法別表第2そのものを限定するという、非常に分かりにくい規定となっている。
そして、安衛令第 13 条第5項は、安衛法別表第2第九号に掲げる「防毒マスク」は「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの」に限られるとしているのである。この規定を受けて、安衛則第 26 条は、「その他厚生労働省令で定めるもの」を一酸化炭素用防毒マスク、アンモニア用防毒マスク及び亜硫酸ガス用防毒マスクと定めている。
従って「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき」防毒マスクは以下のものに限定されることとなる。
① ハロゲンガス用防毒マスク
② 有機ガス用防毒マスク
③ 一酸化炭素用防毒マスク
④ アンモニア用防毒マスク
⑤ 亜硫酸ガス用防毒マスク
第1種衛生管理者の受験対策としては、深く考えずにこの結論を覚えておくこと。すなわち(4)は構造規格の対象となる。
一方、安衛法第 42 条を受けて、安衛令第 13 条第3項に「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき」が定められている。そして、そこに本問の他の肢は定められていない。
【労働安全衛生法】
(譲渡等の制限等)
第42条 特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。
別表第2 (第四十二条関係)
一~八 (略)
九 防毒マスク
十~十六 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等)
第13条 (第1項及び第2項 略)
3 法第42条の政令で定める機械等は、次に掲げる機械等(本邦の地域内で使用されないことが明らかな場合を除く。)とする。
一~三十四 (略)
4 (略)
5 次の表の上欄に掲げる機械等には、それぞれ同表の下欄に掲げる機械等を含まないものとする。
(略) | (略) |
法別表第二第九号に掲げる防毒マスク | ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの以外の防毒マスク |
(略) | (略) |
【労働安全衛生規則】
(規格を具備すべき防毒マスク)
第26条 令第13条第5項の厚生労働省令で定める防毒マスクは、次のとおりとする。
一 一酸化炭素用防毒マスク
二 アンモニア用防毒マスク
三 亜硫酸ガス用防毒マスク