問34 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)魚、チーズなどに含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成するヒスタミンは、加熱により分解される。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(4)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が腸管内で増殖して発症する。
(5)ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。

※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2025年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2025年04月公表問題 | 問34 | 難易度 | 過去問の肢に若干の修正を加えているが、過去問の学習で正答可能である。 |
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食中毒 | 3 |
問34 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)魚、チーズなどに含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成するヒスタミンは、加熱により分解される。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(4)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が腸管内で増殖して発症する。
(5)ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。赤身魚やその加工品などに含まれるヒスチジンが、ヒスタミン産生菌によって分解されてヒスタミンに変換されることは正しい。しかし、ヒスタミンは加熱調理によっても分解しない。
(2)正しい。ボツリヌス菌による毒素は神経毒であり、筋肉の麻痺症状を起こす。重症になると呼吸筋も麻痺して呼吸が困難となって死亡する例もある。
(3)正しい。黄色ブドウ球菌そのものは熱に弱い。しかし、黄色ブドウ球菌による毒素であるエンテロトキシンは、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強い。100℃、20分程度の調理加熱では破壊されない。
(4)正しい。サルモネラ菌による食中毒は感染型食中毒に分類される。感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒であり、卵(加工品含む)、食肉製品、乳製品などの食品に付着した菌によって発症する。代表的なものにサルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどがある。
(5)正しい。細菌が原因となる食中毒を細菌性食中毒という。ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。この他、本問のサルモネラ、ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌及び腸炎ビブリオもそうであるし、腸管出血性大腸菌などの病原大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフスA菌、コレラ菌、ナグビブリオ、ビブリオ・フルビアリス、ビブリオ・ミミカス、エロモナス・ハイドロフィラ、エロモナス・ソブリア、プレジオモナス・シゲロイデスなどがある。