第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問37

呼吸器系(一般)




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問37 難易度 呼吸器系に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
呼吸器系(一般)

問37 呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)横隔膜が下がり、胸郭内の内圧が低くなるにつれ、気道を経て肺内へ流れ込む空気が呼気である。

(2)呼吸に関与する筋肉は、間脳の視床下部にある呼吸中枢によって支配されている。

(3)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。

(4)身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。

(5)チェーンストークス呼吸とは、肺機能の低下により呼吸数が増加した状態をいい、喫煙が原因となることが多い。

正答(3)

【解説】

(1)誤り。横隔膜が下がり、胸郭内の内圧が低くなるにつれ、気道を経て肺内へ流れ込む空気は吸気である。呼気ではない。

(2)誤り。哺乳類の呼吸筋は呼吸中枢によって支配されていることは正しいが、呼吸中枢は延髄の網様体にある。間脳の視床下部にあるのではない。

外呼吸と内呼吸のイラスト

©看護roo!

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(3)正しい。肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、肺呼吸又は外呼吸と呼ばれる。

内呼吸とは、細胞や筋肉などの組織で行われるガス交換のことである。なお、浅野(※)によると、内呼吸とは「外呼吸で得られた酸素を細胞に送り、細胞で排出された二酸化炭素を運び出す機能」であるとされる。

※ 浅野浩一郎「呼吸の生理(系統看護学講座 呼吸器)」(第14版 医学書院 2016年)

(4)誤り。運動時には、血液中の二酸化炭素の分圧が上昇すると呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加し、肺でのガス交換の量が多くなる。窒素の分圧ではない。

(5)誤り。日本救急医学会医学用語 解説集「チェーン・ストークス呼吸」によると、「小さい呼吸から一回換気量が漸増し大きな呼吸となった後、一回換気量が漸減し呼吸停止(10‐20秒程度の無呼吸)がおこり、その後再び同様の周期を繰り返す呼吸」とされている。中枢型睡眠呼吸障害のひとつの病態であり、喫煙が原因となるわけではない。

本肢は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を念頭においた記述かもしれないが、はっきりしない。

2024年10月15日執筆