第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問33

食中毒発生の原因と予防方法




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問33 難易度 今回の公表問題はほぼ過去問の内容と同じである。正答できなければならない。
食中毒

問33 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)腸炎ピブリオ菌は、熱に強い。

(2)サルモネラ菌による食中毒は、鶏卵が原因となることがある。

(3)黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。

(4)ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロパクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。

(5)ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1~2日間である。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。過去問と同じ肢。国立感染症研究所の「腸炎ビブリオ感染症とは」によれば、「熱にも弱く、煮沸すれば瞬時に死滅する」とされている。

(2)正しい。サルモネラ菌による食中毒は感染型食中毒に分類される。感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒であり、卵(加工品含む)、食肉製品、乳製品などの食品に付着した菌によって発症する。代表的なものにサルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどがある。

(3)正しい。黄色ブドウ球菌による食中毒は毒素型に分類される。毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒である。代表的なものに黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などである。

(4)正しい。細菌が原因となる食中毒を細菌性食中毒という。ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。この他、本問のサルモネラ、ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌及び腸炎ビブリオもそうであるし、腸管出血性大腸菌などの病原大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフスA菌、コレラ菌、ナグビブリオ、ビブリオ・フルビアリス、ビブリオ・ミミカス、エロモナス・ハイドロフィラ、エロモナス・ソブリア、プレジオモナス・シゲロイデスなどがある。

(5)正しい。厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問8によれば、「我が国における月別の発生状況をみると、一年を通して発生はみられますが11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12~翌年1月が発生のピークになる傾向があります」とされている。

また、同じ厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問9によれば、「潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間」であるとされている。

2024年10月14日執筆