第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問32

感染症の原因と予防方法




問題文
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学習する女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問32 難易度 感染症の問題は2022年4月が初出で今回は3度目。過去問の学習だけでは正答は難しいかもしれない。
感染症

問32 感染症に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)感染が成立し、症状が現れるまでの人をキャリアといい、感染したことに気付かずに病原体をばらまく感染源になることがある。

(2)インフルエンザウイルスにはA型、B型及びC型の三つの型があるが、流行の原因となるのは、主として、A型及びB型である。

(3)インフルエンザ発症後のウイルスの排出期間は、一般的に7日間程度であるが、この問、排出されるウイルスの量は、解熱してもほとんど変化しない。

(4)結核は、初期症状は風邪とよく似ているが、2週間以上続くせきたん及び微熱やけん怠感がある。

(5)風しんは、発熱、発しん、リンパ節腫ちょうを特徴とするウイルス性発しん症で、免疫のない女性が妊娠初期に風しんにかかると、胎児に感染し出生児が先天性風しん症候群(CRS)となる危険性がある。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。感染が成立し、症状が現れるまでの人や不顕性感染の状態の人をキャリア(carrier)といい、感染したことに気付かずに病原体をばらまく感染源になることがある。

(2)正しい。インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型及びD型の4種類(※)がある。このうち人が罹患するのはA型、B型及びC型の3種類である。

※ 問題文には、D型についての記述がないが、「A型、B型及びC型の三つの型がある」としているだけで、他の型がないとは言っていないので誤りとはいえない。

また、人で流行するのは主にA型とB型である。C型は、一度罹患すると、その後は免疫が持続するので流行することはあまりない。

なお、A型とD型は、人以外の哺乳類や鳥類にも感染する。また、これらの4つの型のインフルエンザには、様々な亜種がある。

(3)誤り。厚生労働省の「インフルエンザQ&A」のQ 17 によれば、「一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています」とされ、また「排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています」とされている。

(4)正しい。結核研究所の「結核の常識」によれば、結核で発病すると「最初のうちはかぜと同じような症状ですが、2週間以上も微熱やせき、たんが止まらない時は危険信号。症状が進むと全身が倦怠感(だるさ)に襲われたり、寝汗、胸の痛みなどがでたり、血痰や喀血することもあります」とされている。

(5)正しい。厚生労働省の「風しんについて」によると、風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広い。

また、風疹に感受性のある妊娠 20 週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性が高くなる。

2024年10月14日執筆