第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問22

総括安全衛生管理者の選任義務




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学習する女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問22 難易度 総括安全衛生管理者の選任に関する基本的な知識問題。過去問と同じ形式であり、過去問の学習で正答可能。
安全衛生管理体制

問22 常時使用する労働者数が100人の事業場で、法令上、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられている業種は、次のうちどれか。

(1)製造業

(2)熱供給業

(3)水道業

(4)医療業

(5)清掃業

正答(5)

【解説】

総括安全衛生管理者は、安衛法第 10 条によって、安衛令第2条に示す規模・業種の事業場に対して選任が義務づけられている。安衛令第2条を覚えていないと正答できないが、忘れてしまったとしても、ある程度アタリをつけることはできる。屋外型の災害発生件数の多い業種は 100 人以上、製造業他のある程度は危険な業種は 300 人以上と覚えておく(※)。なお、条文が「を超える」ではなく「以上」となっていることも押さえておく必要がある。

※ このタイプの総括安全衛生管理者の選任義務の問題は、過去の公表問題では労働者数が「300人」となっていることが多いが、2023年4月の問 21 は「100人」となっており、今回も「100人」で出題されている。

100人となっていれば、1号の業種(林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業)だけ覚えていれば正答できるのであるから、かえって簡単になったといえる。

【労働安全衛生法】

(総括安全衛生管理者)

第10条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。

一~五 (略)

2及び3 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(総括安全衛生管理者を選任すべき事業場)

第2条 労働安全衛生法(以下「法」という。)第10条第1項の政令で定める規模の事業場は、次の各号に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。

 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 百人

 製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 三百人

 その他の業種 千人

業種 専任すべき事業場の規模
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100人以上
製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300人以上
その他の業種 1,000人以上

(1)選任する法律上の義務はない。製造業は、安衛令第2条第二号の業種である。

(2)選任する法律上の義務はない。熱供給業は、安衛令第2条第二号の業種である。

(3)選任する法律上の義務はない。水道業は、安衛令第2条第二号の業種である。

(4)選任する法律上の義務はない。医療業は、安衛令第2条第三号の業種である。

(5)選任する義務がある。清掃業は、安衛令第2条第一号の業種である。

2024年10月13日執筆