第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問20

局所排気装置のフードの型式の名称等




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学習する女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問20 難易度 局所排気装置に関する初めての形式の知識問題。内容は基本的なもので正答は可能。
局所排気装置

問20 局所排気装置のフードの型式の名称とその模式図の組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

(1)外付け式グリッド型

(2)囲い式ドラフトチェンバ型

外付け式グリッド型 囲い式ドラフトチェンバ型

(3)レシーバキャノピ型

(4)外付け式ルーバ型

レシーバキャノピ型 外付け式ルーバ型

(5)外付け式スロット型

外付け式スロット型

正答(5)

【解説】

本問は、局所排気装置の基本を問うものである。局所排気装置のフードの型式の名称とその模式図の組合せは厚生労働省の「換気」の資料を参照されたい。なお、この資料は熟読することをお勧めする。

(1)正しい。本図は、外付け式フードのグリッド型である。粉砕、塗装、接着、鋳物砂落としなどで使用される。有機溶剤は空気より重いので、このような形のものの方が、吸引の効率は高まる。

(2)正しい。本図は、囲い式ドラフトチェンバ型である。発散源はフードに囲い込まれているが、作業の都合上、囲いの1面が開口している。吸引の効率がよく、形式から労働者が被ばくするおそれが少ないこともあり、広範な目的に使用されている。

(3)正しい。本図は、レシーバキャノピ型である。発散源に熱浮力による上昇気流、回転に伴う気流があって、有害物質がその気流に乗って飛散するときに、気流の方向に沿って粉じん、ガス、蒸気を捕集するように設けたフードをレシーバー式フードと呼ぶ。

(4)正しい。本図は、外付け式ルーバ型である。外付け式フードは、開口面の外にある発散源の周囲に吸込み気流をつくって、まわりの空気と一緒に有害物質を吸引するもので、まわりの空気を一緒に吸引するために排風量を大きくしないと十分な能力が得られない。

外付け式スロット型

厚労省「換気」より

※ 図のクリックで拡大

(5)誤り。本図は、レシーバ式で、カバー型(グラインダ型)に分類される。

外付け式スロット型は、図のような形のもので、混合、ふるい分け、ふりかけ、めっき、洗浄溶解、浸漬塗装、鋳物砂落しなどに用いられる。

本問は、そのままの形では過去問には出題されていないが、過去問を学習するに当たり、例えば2017年4月公表 問18の解説をリンク先まで読んでおけば正答できる問題である。

過去問の学習が、合格にとって重要であるが、たんに問題と回答を覚えるだけでは合格できない典型的な例である。

2024年10月17日執筆