問9 粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。
(1)屋内の特定粉じん発生源については、発生源の区分に応じて、密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置若しくは湿潤な状態に保つための設備の設置又はこれらと同等以上の措置を講じなければならない。
(2)特定粉じん発生源に係る局所排気装置に、法令に基づき設ける除じん装置は、粉じんの種類がヒュームである場合には、サイクロンによる除じん方式のものでなければならない。
(3)特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
(4)常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、その測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
(5)土石、岩石又は鉱物に係る特定粉じん作業を常時行う屋内作業場について、法令に基づき空気中の粉じんの濃度の測定を行うときは、当該土石、岩石又は鉱物中の遊離けい酸の含有率が明らかな場合を除き、当該粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定しなければならない。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
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2024年10月公表問題 | 問09 | 難易度 | 粉じん則の内容はやや複雑であり、正答はやや難しい。しかし、正答できるようにしたい。 |
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粉じん関連規制 | 3 |
問9 粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。
(1)屋内の特定粉じん発生源については、発生源の区分に応じて、密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置若しくは湿潤な状態に保つための設備の設置又はこれらと同等以上の措置を講じなければならない。
(2)特定粉じん発生源に係る局所排気装置に、法令に基づき設ける除じん装置は、粉じんの種類がヒュームである場合には、サイクロンによる除じん方式のものでなければならない。
(3)特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
(4)常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、その測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
(5)土石、岩石又は鉱物に係る特定粉じん作業を常時行う屋内作業場について、法令に基づき空気中の粉じんの濃度の測定を行うときは、当該土石、岩石又は鉱物中の遊離けい酸の含有率が明らかな場合を除き、当該粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定しなければならない。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。特定粉じん発生源における粉じんの発散を防止する方法については粉じん則第4条に定められているが、その区分に応じて密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置若しくは湿潤な状態に保つための設備の設置又はこれらと同等以上の措置を講じなければならないと定められている。
【粉じん障害防止規則】
(特定粉じん発生源に係る措置)
第4条 事業者は、特定粉じん発生源における粉じんの発散を防止するため、次の表の上欄に掲げる特定粉じん発生源について、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの措置又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
特定粉じん発生源 | 措置 |
---|---|
一 別表第二第一号に掲げる箇所(衝撃式削岩機を用いて掘削する箇所に限る。) |
当該箇所に用いる衝撃式削岩機を湿式型とすること。 |
二 別表第二第一号、第三号及び第四号に掲げる箇所(別表第二第一号に掲げる箇所にあつては、衝撃式削岩機を用いて掘削する箇所を除く。) |
湿潤な状態に保つための設備を設置すること。 |
三 別表第二第二号に掲げる箇所 |
一 密閉する設備を設置すること。 二 湿潤な状態に保つための設備を設置すること。 |
四 別表第二第五号、第七号及び第十三号に掲げる箇所(別表第二第七号に掲げる箇所にあつては、研削盤、ドラムサンダー等の回転体を有する機械を用いて岩石、鉱物若しくは金属を研磨し、若しくはばり取りし、又は金属を裁断する箇所を除く。) |
一 局所排気装置を設置すること。 二 プッシュプル型換気装置を設置すること。 三 湿潤な状態に保つための設備を設置すること。 |
五 別表第二第六号、第八号及び第十四号に掲げる箇所(別表第二第八号に掲げる箇所にあつては、アルミニウムはくを破砕し、粉砕し、又はふるい分ける箇所に、同表第十四号に掲げる箇所にあつては、砂を再生する箇所に限る。) |
一 密閉する設備を設置すること。 二 局所排気装置を設置すること。 |
六 別表第二第七号に掲げる箇所(研削盤、ドラムサンダー等の回転体を有する機械を用いて岩石、鉱物若しくは金属を研磨し、若しくはばり取りし、又は金属を裁断する箇所に限る。) |
一 局所排気装置を設置すること。 二 湿潤な状態に保つための設備を設置すること。 |
七 別表第二第八号に掲げる箇所(アルミニウムはくを破砕し、粉砕し、又はふるい分ける箇所を除く。) |
一 密閉する設備を設置すること。 二 局所排気装置を設置すること。 三 湿潤な状態に保つための設備を設置すること。 |
八 別表第二第九号及び第十二号に掲げる箇所 |
一 局所排気装置を設置すること。 二 プッシュプル型換気装置を設置すること。 |
九 別表第二第十号及び第十一号に掲げる箇所 |
一 密閉する設備を設置すること。 二 局所排気装置を設置すること。 三 プッシュプル型換気装置を設置すること。 四 湿潤な状態に保つための設備を設置すること。 |
十 別表第二第十四号及び第十五号に掲げる箇所(別表第二第十四号に掲げる箇所にあつては、砂を再生する箇所を除く。) |
一 密閉する設備を設置すること。 二 局所排気装置を設置すること。 三 プッシュプル型換気装置を設置すること。 |
(2)誤り。粉じん則第 13 条は、局所排気装置に設ける除じん装置を、ヒュームとヒューム以外の粉じんに応じて方式を定めている。粉じんの種類がヒュームである場合には、サイクロンによる除じん方式のものは認められていない。
【粉じん障害防止規則】
(除じん)
第13条 事業者は、第10条の規定により設ける除じん装置については、次の表の上欄に掲げる粉じんの種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式又はこれらと同等以上の性能を有する除じん方式による除じん装置としなければならない。
粉じんの種類 | 除じん方式 |
---|---|
ヒューム | ろ過除じん方式 電気除じん方式 |
ヒューム以外の粉じん | サイクロンによる除じん方式 スクラバによる除じん方式 ろ過除じん方式 電気除じん方式 |
2 (略)
(3)正しい。特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、粉じん則第5条により、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならないと定められている。
【粉じん障害防止規則】
(換気の実施等)
第5条 特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
(4)正しい。粉じん則第 25 条は、「常時特定粉じん作業を行う屋内作業場」について測定を行うべき場所としている。また、同規則第 26 条第1項は、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行うものとし、同第8項は、測定結果等を記録して、これを7年間保存すべきとしている。
なお、作業環境測定の頻度は、6月以内ごとに1回とするものがほとんどである。それ以外のものを覚えるようにすると効率的である。別途、作業環境測定の対象となる物、測定の頻度、記録の保存年限等の一覧表を示したので、併せて参照されたい。
【労働安全衛生法】
(作業環境測定)
第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2~5 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの
二~十 (略)
【粉じん障害防止規則】
(作業環境測定を行うべき屋内作業場)
第25条 令第21条第一号の厚生労働省令で定める土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場は、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場とする。
(粉じん濃度の測定等)
第26条 事業者は、前条の屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に、当該作業場における空気中の粉じんの濃度を測定しなければならない。
2~7 (略)
8 事業者は、第1項から第3項までの規定による測定を行つたときは、その都度、次の事項を記録して、これを7年間保存しなければならない。
一~七 (略)
(5)正しい。粉じん則第 26 条第2項により、土石、岩石又は鉱物に係る特定粉じん作業を常時行う屋内作業場について、法令に基づき空気中の粉じんの濃度の測定を行うときは、当該土石、岩石又は鉱物中の遊離けい酸の含有率が明らかな場合を除き、当該粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定しなければならない。
【労働安全衛生法】
(作業環境測定)
第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2~5 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの
二~十 (略)
【粉じん障害防止規則】
(作業環境測定を行うべき屋内作業場)
第25条 令第21条第一号の厚生労働省令で定める土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場は、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場とする。
(粉じん濃度の測定等)
第26条 事業者は、前条の屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、当該作業場における空気中の粉じんの濃度を測定しなければならない。
2 事業者は、前条の屋内作業場のうち、土石、岩石又は鉱物に係る特定粉じん作業を行う屋内作業場において、前項の測定を行うときは、当該粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定しなければならない。ただし、当該土石、岩石又は鉱物中の遊離けい酸の含有率が明らかな場合にあつては、この限りでない。
2~8 (略)