第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問05

有機溶剤業務への該当性




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問05 難易度 有機溶剤業務の該当性についての設問は初出。労働衛生の観点から正答は可能。
有機溶剤業務

問5 有機溶剤中毒予防規則に定める有機溶剤業務に該当しないものは次のうちどれか。

(1)接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務

(2)有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務

(3)有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務

(4)有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務

(5)有機溶剤含有物で塗装した建築物又は工作物の解体若しくは破砕の業務

正答(5)

【解説】

有機溶剤業務の定義は有機則第1条第六号に定められているので、同号を覚えていれば正答できる。

しかし、同号を確認するまでもなく、(5)の「有機溶剤含有物で塗装した建築物又は工作物」はすでに有機溶剤は乾燥しており、その「解体若しくは破砕の業務」で有機溶剤にばく露することはあり得ない。

従って、(5)が有機溶剤業務に該当しないことは判るだろう。試験協会のサービス問題である。これは、正答できなければならない。

なお、有機溶剤業務の定義を問う問題は、過去 16 回の公表問題で初出である。

【有機溶剤中毒予防規則】

(定義等)

第1条 特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。

一~五 (略)

 有機溶剤業務 次の各号に掲げる業務をいう。

 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌かくはん、加熱又は容器若しくは設備への注入の業務

 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴム若しくは可塑剤又はこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌かくはん又は加熱の業務

 有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務

 有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務

 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務

 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務

 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務

 有機溶剤等を用いて行う洗浄(ヲに掲げる業務に該当する洗浄の業務を除く。)又は払しよくの業務

 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務(ヲに掲げる業務に該当する塗装の業務を除く。)

 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務

 有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務

 有機溶剤等を入れたことのあるタンク(有機溶剤の蒸気の発散するおそれがないものを除く。以下同じ。)の内部における業務

 (略)

(1)有機溶剤業務に該当する。接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務は、有機則第1条第六号ヘに該当する。

(2)有機溶剤業務に該当する。有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務は、有機則第1条第六号ヌに該当する。

(3)有機溶剤業務に該当する。有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務は、有機則第1条第六号ハに該当する。

(4)有機溶剤業務に該当する。有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務は、有機則第1条第六号ニに該当する。

(5)有機溶剤業務に該当しない。有機溶剤含有物で塗装した建築物又は工作物の解体若しくは破砕の業務は、有機則第1条第六号のいずれにも該当しない。

2024年10月11日執筆