第1種衛生管理者試験 2024年10月公表 問03

石綿障害予防規則(全般)




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問03 難易度 石綿障害予防規則は頻出事項である。本問は確実に正答したい。
石綿障害予防規則

問3 石綿障害予防規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定するとともに、測定結果等を記録し、これを 40 年間保存しなければならない。

(2)石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行うとともに、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。

(3)石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行い、その結果に基づき、石綿健康診断個人票を作成し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該業務に従事しないこととなった日から 40 年間保存しなければならない。

(4)石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事する労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から 40 年間保存するものとする。

(5)石綿等を常時取り扱う作業場の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎週1回以上、掃除を行わなければならない。

正答(5)

【解説】

(1)正しい。石綿則第 36 条第1項により、石綿等を取り扱う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定しなければならない。また、同第2項により、測定結果等を記録し、これを 40 年間保存しなければならない。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

一~六 (略)

 (略)石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する屋内作業場若しくは石綿分析用試料等を製造する屋内作業場(略)

八~十 (略)

【石綿障害予防規則】

(測定及びその記録)

第36条 事業者は、令第21条第七号の作業場(石綿等に係るものに限る。)について、6月以内ごとに1回、定期に、石綿の空気中における濃度を測定しなければならない。

 事業者は、前項の規定による測定を行ったときは、その都度次の事項を記録し、これを40年間保存しなければならない。

一~七 (略)

(2)正しい。石綿則第 22 条により、石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設けられた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。また、同 23 条により、検査の結果等を記録し、これを3年間保存しなければならない。

【石綿障害予防規則】

(定期自主検査)

第22条 事業者は、前条各号に掲げる装置については、1年以内ごとに1回、定期に、次の各号に掲げる装置の種類に応じ、当該各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。ただし(略)

 局所排気装置

イ~ヘ (略)

二及び三 (略)

 事業者は、前項の規定による測定を行ったときは、その都度次の事項を記録し、これを40年間保存しなければならない。

(定期自主検査の記録)

第23条 事業者は、前条の自主検査を行ったときは、次の事項を記録し、これを3年間保存しなければならない。

一~六 (略)

(3)正しい。石綿則第 40 条第1項の規定により、石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、特別の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

また同規則第 41 条の規定により、その結果に基づき、石綿健康診断個人票を作成し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該業務に従事しないこととなった日から 40 年間保存しなければならない。

【労働安全衛生法】

(健康診断)

第66条 (第1項略)

 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(健康診断を行うべき有害な業務)

第22条 法第66条第2項前段の政令で定める有害な業務は、次のとおりとする。

一及び二 (略)

 (略)又は石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造若しくは石綿分析用試料等の製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務

四~六 (略)

2及び3 (略)

【石綿障害予防規則】

(健康診断の実施)

第40条 事業者は、令第22条第1項第三号の業務(石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に限る。)に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

一~四 (略)

2及び3 (略)

(健康診断の結果の記録)

第41条 事業者は、前条各項の健康診断(法第66条第5項ただし書の場合において当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「石綿健康診断」という。)の結果に基づき、石綿健康診断個人票(様式第二号)を作成し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該業務に従事しないこととなった日から40年間保存しなければならない。

(4)正しい。石綿則第 33 条に、石綿等の取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所において、常時石綿等を取り扱う作業に従事した労働者については、1か月を超えない期間ごとに、作業の概要、従事した期間等を記録し、これを当該労働者が常時当該作業に従事しないこととなった日から 40 年間保存するものとするとされている。

【石綿障害予防規則】

(作業の記録)

第35条 事業者は、石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿等の粉じんを発散する場所において常時作業に従事する労働者について、一月を超えない期間ごとに次の事項を記録し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から四十年間保存するものとする。

 労働者の氏名

 石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する作業又は石綿分析用試料等を製造する作業に従事した労働者にあっては、従事した作業の概要、当該作業に従事した期間、当該作業(石綿使用建築物等解体等作業に限る。)に係る事前調査(分析調査を行った場合においては事前調査及び分析調査)の結果の概要並びに次条第一項の記録の概要

 石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿等の粉じんを発散する場所における作業(前号の作業を除く。以下この号及び次条第一項第二号において「周辺作業」という。)に従事した労働者(以下この号及び次条第一項第二号において「周辺作業従事者」という。)にあっては、当該場所において他の労働者が従事した石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する作業又は石綿分析用試料等を製造する作業の概要、当該周辺作業従事者が周辺作業に従事した期間、当該場所において他の労働者が従事した石綿等を取り扱う作業(石綿使用建築物等解体等作業に限る。)に係る事前調査及び分析調査の結果の概要、次条第一項の記録の概要並びに保護具等の使用状況

 石綿等の粉じんにより著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要

(5)誤り。石綿等を常時取り扱う作業場の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎日1回以上、掃除を行わなければならない。毎週1回以上では足りない。

【石綿障害予防規則】

(掃除の実施)

第30条 事業者は、前条の作業場及び休憩室の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎日1回以上、掃除を行わなければならない。

2024年10月11日執筆