第1種衛生管理者試験 2024年04月公表 問41

ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらき




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年04月公表問題 問41 難易度 一見すると高度な内容のように見えるが、実は常識問題である。確実に正答できなければならない。
ホルモン

問41 ヒトのホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

ホルモン 内分泌器官 はたらき
(1) アルドステロン   副腎髄質   血糖量の増加
(2) インスリン   すい   血糖量の減少
(3) パラソルモン   副甲状腺   血中のカルシウム量の調節
(4) プロラクチン   下垂体   黄体形成の促進
(5) 副腎皮質刺激ホルモン   下垂体   副腎皮質の活性化

正答(1)

【解説】

ホルモンは内分泌器官で合成され、血管内に直接分泌されて体内に送られる。内分泌器官としては、視床下部、下垂体(脳下垂体)、松果体、副腎(皮質、髄質)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、生殖腺(卵巣、胎盤、精巣)、消化管が挙げられる。ホルモンの種類はきわめて多いが、主要なものは押さえておいた方が良い。

(1)誤り。アルドステロンは副腎皮質から分泌されることは正しい。しかし、その働きは、腎臓の尿細管に作用してナトリウムの排出の抑制と、カリウムの排泄を促進し、体液中の塩類バランスの調節をする役割である。

(2)正しい。まず、インスリンが膵臓(ランゲルハンス島)で分泌されることは正しい。そして、その役割は、臓器が血糖をエネルギーやタンパク質の合成などに利用して血糖濃度の増加を押さえることである。ドラマや映画などで糖尿病の患者がインスリンの注射を打っているシーンを見かけることがあるが、これは血糖値を下げるためである。

(3)正しい。パラソルモンは副甲状腺ホルモンで、様々な働きをするが、骨の再吸収により血清カルシウムを上昇させる働きなどがある。

(4)正しい。プロラクチン(黄体刺激ホルモン/催乳ホルモン)が下垂体(前葉)から分泌されることは正しい。

ここで、黄体とは、卵巣内で排卵後に卵巣に残された卵胞が委縮してできる内分泌組織のことである。黄体はプロゲステロン(黄体ホルモン)(※)を分泌して排卵した受精卵の着床を助ける働きがある。

※ プロゲステロンは、子宮内膜を受精卵が着床しやすいように、子宮内膜を厚くする働きがある。

排卵後の卵胞を黄体化させる働きをする主要なホルモンは、黄体形成ホルモン(LH)であり、排卵後の卵胞を黄体化させるだけではなく、プロゲステロンの分泌を促す。本肢のプロラクチンは催乳ホルモンと呼ばれ、乳腺の発達や母乳の産生に関わるホルモンとして知られるが、黄体刺激ホルモンとも呼ばれ、卵巣において黄体を刺激してプロゲステロンの分泌を促す作用も持っている。

(5)正しい。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH=adrenocorticotropic hormone)は、下垂体前葉の ACTH 産生細胞から産生、分泌され、副腎皮質から副腎皮質ホルモンの分泌を促進する。

2024年04月10日執筆