第1種衛生管理者試験 2024年04月公表 問11

特殊健康診断




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年04月公表問題 問11 難易度 一部に過去の公表問題にない肢もあるが、基本的に過去の公表問題をきちんと解いておけば正答できる。
特殊健康診断

問11 特殊健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)有害業務への配置替えの際に行う特殊健康診断には、業務適性の判断と、その後の業務による影響を調べるための基礎資料を得るという目的がある。

(2)特殊健康診断において適切な健診デザインを行うためには、作業内容と有害要因へのばく露状況を把握する必要がある。

(3)情報機器作業に係る健康診断では、眼科学的検査などとともに、上肢及び下肢の運動機能の検査を行う。

(4)マンガンを取り扱う業務に常時従事する労働者に対して行う特殊健康診断の項目として、握力の測定がある。

(5)有機溶剤は、生物学的半減期が短いので、有機溶剤等健康診断における尿中の代謝物の量の検査のための採尿の時刻は、厳重に管理する必要がある。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。有害業務への配置替えの際に行う特殊健康診断には、業務適性の判断と、その後の業務の影響を調べるための基礎資料を得るという目的がある。

よく中小企業の事業主等で、健康診断の結果はプライバシーに関することなので事業主は、一切その内容を知ってはならないと誤解しているケースがあるが、その結果を全く事業主の側が知らなければ健康診断を行ったことにはならず、安衛法違反となる。

(2)正しい。これは当然であろう。作業内容と有害要因へのばく露状況は、問診で把握する必要がある。それをしておかないと、所見があっても、それとばく露との関係が明確にならないからである。

(5)誤り。「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によれば、情報機器作業に係る健康診断では、眼科学的検査などとともに、上肢の運動機能運動機能の検査を行うこととされている。下肢の運動機能の検査を行うこととはされていない。

(4)正しい。マンガンは現在では特化則によって健康診断が義務付けられている。その検査項目は特化則別表別表第三に定められており、第五十九号下欄に、握力の測定が定められている。

(5)正しい。有機溶剤は、生物学的半減期が短い。尿中の馬尿酸が1.5時間程度、メチル馬尿酸が3時間程度、マンデル酸が4時間程度である。

理想的には、連続した作業日の最終日(休み前の日)の作業終了の2時間前に一度排尿し、作業終了時に採尿するのが望ましい。休日明けの初日の最初に採尿しても意味はない。

2024年04月06日執筆