問8 酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。
(2)第二種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならない。
(3)酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。
(4)汚水を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、作業を指揮させなければならない。
(5)パルプ液を入れたことのある槽の内部における作業については、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2024年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
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2024年04月公表問題 | 問08 | 難易度 | 酸欠則は過去の公表問題にも多いが、本問の選択肢は新しいもの。過去問の記憶だけでは正答できない。 |
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酸素欠乏症等防止規則 | 4 |
問8 酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。
(2)第二種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならない。
(3)酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。
(4)汚水を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、作業を指揮させなければならない。
(5)パルプ液を入れたことのある槽の内部における作業については、酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
正答(5)
【解説】
(1)正しい。酸欠則では、第2条第一号により、酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態であると定義されている。
【酸素欠乏症等防止規則】
(定義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 酸素欠乏 空気中の酸素の濃度が十八パーセント未満である状態をいう。
二~八 (略)
(2)正しい。酸欠則第3条第1項の規定により、第二種酸素欠乏危険作業を行う作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定しなければならない。
【労働安全衛生法】
(作業環境測定)
第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2~5 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一~八 (略)
九 別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の当該作業場
十 (略)
別表第六 酸素欠乏危険場所 (第六条、第二十一条関係)
一~九 (略)
十 ドライアイスを使用して冷蔵、冷凍又は水セメントのあく抜きを行つている冷蔵庫、冷凍庫、保冷貨車、保冷貨物自動車、船倉又は冷凍コンテナーの内部
十一及び十二 (略)
【酸素欠乏症等防止規則】
(作業環境測定等)
第3条 事業者は、令第21条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第二種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあつては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。
2 (略)
(3)正しい。酸欠則第8条第1項の規定により、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。
【酸素欠乏症等防止規則】
(人員の点検)
第8条 事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、労働者を当該作業を行う場所に入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければならない。
2 (略)
(4)正しい。酸欠則第25条の2第1項(第二号)の規定により、汚水を入れたことのあるポンプを修理する場合で、これを分解する作業に労働者を従事させるときは、硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、作業を指揮させなければならない。
【酸素欠乏症等防止規則】
(設備の改造等の作業)
第25条の2 事業者は、し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、若しくは分解しやすい物質を入れてあり、若しくは入れたことのあるポンプ若しくは配管等又はこれらに附属する設備の改造、修理、清掃等を行う場合において、これらの設備を分解する作業に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなければならない。
一 (略)
二 硫化水素中毒の防止について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業を指揮させること。
三~五 (略)
2 (略)
(5)誤り。酸欠則第2条(第八号)の定義により、本肢の「パルプ液を入れたことのある槽の内部における作業」については、第二種酸素欠乏危険作業となる。そして、同規則第11条第1項の規定により、第二種酸素欠乏危険作業については、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。酸素欠乏危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから選ぶのではない。
【労働安全衛生法】
(作業主任者)
第14条 事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
【労働安全衛生法施行令】
(作業主任者を選任すべき作業)
第6条 法第14条の政令で定める作業は、次のとおりとする。
一~二十 (略)
二十一 別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業
二十二 (略)
別表第六 酸素欠乏危険場所(第六条、第二十一条関係)
一~八 (略)
九 し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、又は分解しやすい物質を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きよ、マンホール、溝又はピツトの内部
十~十二 (略)
【酸素欠乏症等防止規則】
(定義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一~七 (略)
八 第二種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険場所のうち、令別表第六第三号の三、第九号又は第十二号に掲げる酸素欠乏危険場所(同号に掲げる場所にあつては、酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る。)における作業をいう。
(作業主任者)
第11条 事業者は、酸素欠乏危険作業については、第一種酸素欠乏危険作業にあつては酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、第二種酸素欠乏危険作業にあつては酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
2及び3 (略)