問37 呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)呼吸運動は、横隔膜、肋間筋などの呼吸筋が収縮と弛緩をすることにより行われる。
(2)胸郭内容積が増し、その内圧が低くなるにつれ、鼻腔、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。
(3)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。
(4)血液中の二酸化炭素濃度が増加すると、呼吸中枢が刺激され、呼吸が速く深くなる。
(5)呼吸のリズムをコントロールしているのは、間脳の視床下部である。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2023年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2023年10月公表問題 | 問37 | 難易度 | 呼吸器系に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
---|---|---|---|
呼吸器系(一般) | 3 |
問37 呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)呼吸運動は、横隔膜、肋間筋などの呼吸筋が収縮と弛緩をすることにより行われる。
(2)胸郭内容積が増し、その内圧が低くなるにつれ、鼻腔、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。
(3)肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、外呼吸である。
(4)血液中の二酸化炭素濃度が増加すると、呼吸中枢が刺激され、呼吸が速く深くなる。
(5)呼吸のリズムをコントロールしているのは、間脳の視床下部である。
正答(5)
【解説】
(1)正しい。呼吸運動は、呼吸筋が収縮と弛緩をすることによって、胸郭内容積を周期的に増減させて行われる。そして、古典的な考え方においては、呼吸筋は、①横隔膜、②肋間筋及び胸壁の筋、③腹筋、④呼吸補助筋、並びに⑤上気道の筋に分類される。
(2)正しい。胸郭内容積が増し、その内圧が低くなるにつれ、鼻腔くう、気管などの気道を経て肺内へ流れ込む空気が吸気である。
(3)正しい。肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、肺呼吸又は外呼吸と呼ばれる。
内呼吸とは、細胞や筋肉などの組織で行われるガス交換のことである。なお、浅野(※)によると、内呼吸とは「外呼吸で得られた酸素を細胞に送り、細胞で排出された二酸化炭素を運び出す機能」であるとされる。
※ 浅野浩一郎「呼吸の生理(系統看護学講座 呼吸器)」(第14版 医学書院 2016年)
(4)正しい。運動などにより血液中の二酸化炭素の分圧が上昇すると呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加し、肺でのガス交換の量が多くなる。
(5)誤り。哺乳類の呼吸筋は呼吸中枢によって支配されており、呼吸中枢は延髄の網様体にある。呼吸のリズムをコントロールしているのは、間脳の視床下部ではない。