第1種衛生管理者試験 2023年4月公表 問32

脳血管障害及び虚血性心疾患




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2023年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2023年10月公表問題 問32 難易度 いわゆる過労死の問題で過去問は多くない。しかし、内容は常識的なものである。
過重労働対策

問32 脳血管障害及び虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症に分類される。

(2)くも膜下出血は、通常、脳動脈りゅうが破れて数日後、激しい頭痛で発症する。

(3)虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。

(4)心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が、1時間以上続くこともある。

(5)運動負荷心電図検査は、虚血性心疾患の発見に有用である。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、心臓や動脈壁の血栓などが剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症に分類される。

簡単に言えば、他の場所(心臓)でできた血栓がはがれて脳内の欠陥が詰まるタイプと、頸の動脈や頭蓋内の比較的大きな動脈が硬化(アテローム硬化)して閉塞するタイプに分かれる。

(2)誤り。くも膜下出血の8~9割は、脳動脈りゅうの破裂が原因である。動脈瘤が破裂して動脈中の血液がくも膜下腔内に流れ込むことで発症する。破裂した直後に発症する。数日後に発症するわけではない。

(3)正しい。虚血性心疾患は、心筋に血液を送る冠動脈が、動脈硬化などで狭くなったり、血管がけいれんを起こしたりして、血液が十分に供給されなくなることにより発症する心筋障害である。

(4)正しい。心筋梗塞は、強い痛みが続き、安静にしていても短時間では回復しない。急性心筋梗塞症では、冠動脈が完全に塞がってその部分の心筋細胞が壊死し、症状も長時間続く。

(5)正しい。心筋の異常や不整脈の検査は、安静状態での心電図検査によって行われることが多い。運動負荷心電図検査には、マスター2段試験とトレッドミル試験があり、トレッドミル検査では、安静時では発見できない虚血性心疾患や不整脈の診断などを行う。

2023年10月06日執筆