問21 産業医に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、産業医の選任の特例はないものとする。
(1)産業医を選任しなければならない事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場である。
(2)常時使用する労働者数が2,000人を超える事業場では、産業医を2人以上選任しなければならない。
(3)重量物の取扱い等重激な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属の産業医を選任しなければならない。
(4)産業医が、事業者から、毎月1回以上、所定の情報の提供を受けている場合であって、事業者の同意を得ているときは、産業医の作業場等の巡視の頻度を、毎月1回以上から2か月に1回以上にすることができる。
(5)産業医は、労働者に対する衛生教育に関することであって、医学に関する専門的知識を必要とする事項について、総括安全衛生管理者に対して勧告することができる。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2023年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
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2023年10月公表問題 | 問21 | 難易度 | 過去問の学習で正答できる内容であり、確実に正答しておきたい。 |
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産業医の選任と職務 | 3 |
問21 産業医に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、産業医の選任の特例はないものとする。
(1)産業医を選任しなければならない事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場である。
(2)常時使用する労働者数が2,000人を超える事業場では、産業医を2人以上選任しなければならない。
(3)重量物の取扱い等重激な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属の産業医を選任しなければならない。
(4)産業医が、事業者から、毎月1回以上、所定の情報の提供を受けている場合であって、事業者の同意を得ているときは、産業医の作業場等の巡視の頻度を、毎月1回以上から2か月に1回以上にすることができる。
(5)産業医は、労働者に対する衛生教育に関することであって、医学に関する専門的知識を必要とする事項について、総括安全衛生管理者に対して勧告することができる。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。産業医の選任の義務は安衛法第13条に定められており、産業医を選任しなければならない事業場の規模は安衛令第5条に、常時50人以上の労働者を使用する事業場と定められている。
【労働安全衛生法】
(産業医等)
第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
2~6 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(産業医を選任すべき事業場)
第5条 法第13条第1項の政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場とする。
(2)誤り。安衛則第13条第1項第四号に、常時3,000人を超える労働者を使用する事業場は2人以上の産業医を選任しなければならないとされている。
【労働安全衛生法】
(産業医等)
第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
2~6 (略)
【労働安全衛生規則】
(産業医の選任等)
第13条 法第13条第1項の規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。
一~三 (略)
四 常時三千人をこえる労働者を使用する事業場にあつては、二人以上の産業医を選任すること。
2~4 (略)
(3)正しい。安衛則第 13 条第1項(第三号ト)の規定により、重量物の取扱い等重激な業務に常時 500 人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属の産業医を選任しなければならない。
【労働安全衛生規則】
(産業医の選任等)
第13条 法第13条第1項の規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。
一及び二 (略)
三 常時千人以上の労働者を使用する事業場又は次に掲げる業務に常時五百人以上の労働者を従事させる事業場にあつては、その事業場に専属の者を選任すること。
イ~ヘ (略)
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ~カ (略)
四 (略)
2~4 (略)
(4)正しい。安衛則第15条のカッコ書きにより、産業医が、事業者から、毎月1回以上、所定の情報の提供を受けている場合であって、事業者の同意を得ているときは、産業医の作業場等の巡視の頻度を、毎月1回以上から2か月に1回以上にすることができる。
【労働安全衛生規則】
(産業医の定期巡視)
第15条 産業医は、少なくとも毎月一回(産業医が、事業者から、毎月一回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合であつて、事業者の同意を得ているときは、少なくとも二月に一回)作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一及び二 (略)
(5)正しい。安衛則第 14 条第3項(及び第1項(第八号))により、産業医は、労働者に対する衛生教育に関することであって、医学に関する専門的知識を必要とする事項について、総括安全衛生管理者に対して勧告することができる。
なお、安衛法第 13条 第5項(及び第1項(安衛則第 14 条第1項(第八号))により、事業者に対しても同じことを勧告できる。
【労働安全衛生法】
(産業医等)
第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
2~4 (略)
5 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。この場合において、事業者は、当該勧告を尊重しなければならない。
6 (略)
【労働安全衛生規則】
(産業医及び産業歯科医の職務等)
第14条 法第十三条第一項の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げる事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。
一~七 (略)
八 衛生教育に関すること。
九 (略)
2 (略)
3 産業医は、第一項各号に掲げる事項について、総括安全衛生管理者に対して勧告し、又は衛生管理者に対して指導し、若しくは助言することができる。
4~7 (略)