問2 次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものはどれか。
(1)赤外線又は紫外線にさらされる業務
(2)有機溶剤等を用いて行う接着の業務
(3)塩酸を用いて行う分析の業務
(4)エックス線回折装置を用いて行う分析の業務
(5)廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2023年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2023年10月公表問題 | 問02 | 難易度 | 特別教育の対象となる業務は覚えておきたい。本問はややマイナーな業務で難易度はやや高い。 |
---|---|---|---|
特別教育の対象 | 3 |
問2 次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものはどれか。
(1)赤外線又は紫外線にさらされる業務
(2)有機溶剤等を用いて行う接着の業務
(3)塩酸を用いて行う分析の業務
(4)エックス線回折装置を用いて行う分析の業務
(5)廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務
正答(5)
【解説】
特別教育の実施は安衛法第 59 条第3項によって義務付けられている。特別教育を実施すべき業務は、安衛則第36条に定められている。
【労働安全衛生法】
(安全衛生教育)
第59条 (第1項及び第2項 略)
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
【労働安全衛生規則】
(特別教育を必要とする業務)
第36条 法第59条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~二十七 (略)
二十八 エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
二十八の二~三十三 (略)
三十四 ダイオキシン類対策特別措置法施行令(平成11年政令第433号)別表第1第五号に掲げる廃棄物焼却炉を有する廃棄物の焼却施設(第90条第五号の四を除き、以下「廃棄物の焼却施設」という。)においてばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務(第36号に掲げる業務を除く。)
三十五~四十一 (略)
(1)義務付けられていない。赤外線又は紫外線にさらされる業務は、そもそも安衛則の直接の規制の対象ではない。
(2)義務付けられていない。有機溶剤等を用いて行う業務は特別教育の対象ではない。「有機溶剤」と書かれていたら特別教育の対象ではないと判断してよい。
(3)義務付けられていない。塩酸を用いて行う分析の業務は安衛則第 36 条に定められていない。分析の業務のような試験・研究的なものは特別教育の対象にはなりにくいのである。
(4)義務付けられていない。安衛則第 36 条に定められているのは、エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務である。分析の業務は特別教育の対象ではない。
(5)行わなければならない。廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務は安衛則第 36 条第三十四号に定められている。
なお、本肢の「廃棄物の焼却施設」とは、安衛則の「廃棄物の焼却施設」であり、すべての廃棄物の焼却施設を指すものではない。