第1種衛生管理者試験 2023年4月公表 問41

感覚又は感覚器




問題文
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未来を指し示す女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2023年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2023年04月公表問題 問41 難易度 過去問と全く同じ問題。これは正答できなければならない。
感覚又は感覚器

問41 感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶものを遠視という。

(2)嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である。

(3)温度感覚は、皮膚のほか口くうなどの粘膜にも存在し、一般に温覚の方が冷覚よりも鋭敏である。

(4)深部感覚は、筋肉や腱にある受容器から得られる身体各部の位置、運動などを認識する感覚である。

(5)中耳にある鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。

正答(3)

【解説】

本問は、2021年4月公表問題の問41と(4)を除けばほぼ同じである。

(1)正しい。眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶ状態は遠視である。

(2)正しい。視覚や聴覚などが物理的信号を受容するのに対し、嗅覚と味覚は物質の化学的性質を認知する(化学信号を受容する)ため化学感覚ともいわれる。

なお、信号を媒介する物質を「化学感覚シグナル」(Chemosensory signal)と呼ぶ

(3)誤り。本肢は、過去問の正しい肢の「温覚」と「冷覚」を入れ替えて誤りの肢にしたものである。温度感覚の受容器は、皮膚のほか口くうなどの粘膜にも存在することは正しい。

冷覚の受容器はクラウゼ小体と呼ばれ、皮膚1cm当たり15個程度存在している。順応速度(感じなくなるまでの時間)は非常に遅く温覚に比べても遅い。

温覚の受容器はルフィーニ正体と呼ばれ、皮膚1cm当たり2個程度存在している。順応速度は圧覚、触覚(マイスナー小体)に比較すると遅いが、冷覚に比べると早い。

従って、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏である。

(4)正しい。深部感覚は、固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、関節位置覚、振動覚、運動覚、抵抗覚、重量覚などにより、身体部位の位置や運動の情報を得る感覚である。

なお、感覚には、体性感覚、内臓感覚及び特殊感覚の3種がある。体性感覚とは触覚、温度感覚、痛覚などの皮膚感覚である。これに対し、深部感覚とは文字通り身体内部の感覚である。

(5)正しい。中耳にある鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。

2023年04月17日執筆