第1種衛生管理者試験 2023年4月公表 問21

総括安全衛生管理者の選任義務




問題文
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未来を指し示す女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2023年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2023年04月公表問題 問21 難易度 総括安全衛生管理者の選任に関する基本的な知識問題。過去問の変化形であるが、過去問の学習で正答可能。
安全衛生管理体制

問21 常時使用する労働者数が 100 人で、次の業種に属する事業場のうち、法令上、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられていないものの業種はどれか。

(1)林業

(2)清掃業

(3)燃料小売業

(4)建設業

(5)運送業

正答(3)

【解説】

総括安全衛生管理者は、安衛法第 10 条によって、安衛令第2条に示す規模・業種の事業場に対して選任が義務づけられている。安衛令第2条を覚えていないと正答できないが、忘れてしまったとしても、ある程度アタリをつけることはできる。屋外型の災害発生件数の多い業種は 100 人以上、製造業他のある程度は危険な業種は 300 人以上と覚えておく。なお、条文が「を超える」ではなく「以上」となっていることも押さえておく必要がある。

なお、この種の問題は、過去問は「300人」となっていたが、今回は「100人」となっており、やや変形している。しかし、1号の業種(林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業)だけ覚えていれば正答できるのであるから、かえって簡単になったといえる。

【労働安全衛生法】

(総括安全衛生管理者)

第10条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。

一から五 (略)

2及び3 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(総括安全衛生管理者を選任すべき事業場)

第2条 労働安全衛生法(以下「法」という。)第十条第一項の政令で定める規模の事業場は、次の各号に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。

 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 百人

 製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 三百人

 その他の業種 千人

業種 専任すべき事業場の規模
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100人以上
製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300人以上
その他の業種 1,000人以上

(1)選任する義務がある。林業は、安衛令第2条第1号の業種である。

(2)選任する義務がある。清掃業は、安衛令第2条第1号の業種である。

(3)選任する法律上の義務はない。燃料小売業(各種商品小売業)は、安衛令第2条第2号の業種である。

(4)選任する義務がある。建設業は、安衛令第2条第1号の業種である。

(5)選任する義務がある。運送業は、安衛令第2条第1号の業種である。

2023年04月14日執筆