問7 じん肺法に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)じん肺管理区分の管理一は、じん肺健康診断の結果、じん肺の所見がないと認められるものをいう。
(2)じん肺管理区分の管理二は、じん肺健康診断の結果、エックス線写真の像が第一型でじん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるものをいう。
(3)常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理二であるものに対しては、1年以内ごとに1回、定期的に、じん肺健康診断を行わなければならない。
(4)都道府県労働局長は、事業者から、法令に基づいて、じん肺の所見があると診断された労働者についてのエックス線写真等が提出されたときは、これらを基礎として、地方じん肺診査医の診断又は審査により、当該労働者についてじん肺管理区分の決定をするものとする。
(5)じん肺管理区分が管理三と決定された者及び合併症にかかっていると認められる者は、療養を要するものとする。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2023年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2023年04月公表問題 | 問07 | 難易度 | じん肺法に基づく措置は 2022 年 10 月にも出題されている。正答できなければならない問題である。 |
---|---|---|---|
じん肺法に基づく措置 | 3 |
問7 じん肺法に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)じん肺管理区分の管理一は、じん肺健康診断の結果、じん肺の所見がないと認められるものをいう。
(2)じん肺管理区分の管理二は、じん肺健康診断の結果、エックス線写真の像が第一型でじん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるものをいう。
(3)常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理二であるものに対しては、1年以内ごとに1回、定期的に、じん肺健康診断を行わなければならない。
(4)都道府県労働局長は、事業者から、法令に基づいて、じん肺の所見があると診断された労働者についてのエックス線写真等が提出されたときは、これらを基礎として、地方じん肺診査医の診断又は審査により、当該労働者についてじん肺管理区分の決定をするものとする。
(5)じん肺管理区分が管理三と決定された者及び合併症にかかっていると認められる者は、療養を要するものとする。
正答(5)
【解説】
(1)正しい。じん肺法第4条第2項の表より、じん肺管理区分の管理一は、じん肺健康診断の結果、じん肺の所見がないと認められるものをいう。
【じん肺法】
(エックス線写真の像及びじん肺管理区分)
第4条 (第1項略)
2 粉じん作業に従事する労働者及び粉じん作業に従事する労働者であつた者は、じん肺健康診断の結果に基づき、次の表の下欄に掲げるところにより、管理一から管理四までに区分して、この法律の規定により、健康管理を行うものとする。
じん肺管理区分 | じん肺健康診断の結果 | |
---|---|---|
管理一 | じん肺の所見がないと認められるもの | |
管理二 | エックス線写真の像が第一型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの | |
管理三 | イ | (略) |
ロ | (略) | |
管理四 | (略) |
(2)正しい。じん肺法第4条第2項の表より、じん肺管理区分の管理二は、じん肺健康診断の結果、エックス線写真の像が第一型でじん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるものをいう。
(3)正しい。じん肺法第8条第1項(第二号)の規程により、常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理二であるものに対しては、1年以内ごとに1回、定期的に、じん肺健康診断を行わなければならない。
【じん肺法】
(定期健康診断)
第8条 事業者は、次の各号に掲げる労働者に対して、それぞれ当該各号に掲げる期間以内ごとに1回、定期的に、じん肺健康診断を行わなければならない。
一 常時粉じん作業に従事する労働者(次号に掲げる者を除く。) 3年
二 常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理二又は管理三であるもの 1年
三 常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理二である労働者(厚生労働省令で定める労働者を除く。) 3年
四 常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理三である労働者(厚生労働省令で定める労働者を除く。) 1年
2 (略)
管理区分 | 常時粉じん作業に 従事する労働者 |
常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもの |
---|---|---|
管理1 | 3年 | - |
管理2 | 1年 | 3年 |
管理3 | 1年 | 1年 |
管理4 | - | - |
(4)正しい。じん肺法第 13 条第2項の規定により、都道府県労働局長は、事業者から、法令に基づいて、じん肺の所見があると診断された労働者についてのエックス線写真等が提出されたときは、これらを基礎として、地方じん肺診査医の診断又は審査により、当該労働者についてじん肺管理区分の決定をするものとする。
【じん肺法】
(事業者によるエックス線写真等の提出)
第12条 事業者は、第7条から第9条の2までの規定によりじん肺健康診断を行つたとき、又は前条ただし書の規定によりエックス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他の書面が提出されたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、じん肺の所見があると診断された労働者について、当該エックス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面を都道府県労働局長に提出しなければならない。
(じん肺管理区分の決定手続等)
第13条 (第1項 略)
2 都道府県労働局長は、前条の規定により、エックス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他厚生労働省令で定める書面が提出されたときは、これらを基礎として、地方じん肺診査医の診断又は審査により、当該労働者についてじん肺管理区分の決定をするものとする。
3~5 (略)
(5)誤り。じん肺法第 23 条により療養を要するとされているものは、じん肺管理区分が管理四と決定された者及び合併症にかかっていると認められる者である。じん肺管理区分が管理三と決定された者は療養を要するとはされていない。
【じん肺法】
(療養)
第23条 じん肺管理区分が管理四と決定された者及び合併症にかかつていると認められる者は、療養を要するものとする。