問13 粉じん(ヒュームを含む。)による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた炎症性病変を主体とする疾病で、その種類には、けい肺、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがある。
(2)じん肺は、肺結核のほか、続発性気管支炎、続発性気胸、原発性肺がんなどを合併することがある。
(3)アルミニウムやその化合物によってじん肺を起こすことがある。
(4)溶接工肺は、溶接の際に発生する酸化鉄ヒュームのばく露によって発症するじん肺である。
(5)炭素を含む粉じんは、じん肺を起こすことがある。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2022年10月公表問題 | 問13 | 難易度 | やや高度な選択肢もあるが、じん肺の基本を押さえておけば正答できる問題である。 |
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じん肺と合併症 | 3 |
問13 粉じん(ヒュームを含む。)による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた炎症性病変を主体とする疾病で、その種類には、けい肺、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがある。
(2)じん肺は、肺結核のほか、続発性気管支炎、続発性気胸、原発性肺がんなどを合併することがある。
(3)アルミニウムやその化合物によってじん肺を起こすことがある。
(4)溶接工肺は、溶接の際に発生する酸化鉄ヒュームのばく露によって発症するじん肺である。
(5)炭素を含む粉じんは、じん肺を起こすことがある。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。じん肺の定義はじん肺法第2条に規定されており、「粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」である。肺に生じた炎症性病変を主体とする疾病ではない。
なお、けい肺はじん肺の種類のひとつであるが、間質性肺炎とは肺の「間質」に生じる肺炎の一種であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは有害物質に長期間ばく露されることにより肺が持続的な炎症を起こした状態である。
(2)正しい。じん肺の合併症はじん肺法施行規則第1条に定められている。具体的には、①肺結核、②結核性胸膜炎、③続発性気管支炎、④続発性気管支拡張症、⑤続発性気胸及び⑥原発性肺がんの6種類である。これはすべて覚えておく必要がある。
(3)正しい。とくにアルミニウム粉じんによるものをアルミニウム肺、炭素粉じんによるものを炭素肺又は黒鉛肺と呼ぶことがあるが、これらもじん肺である。
(4)正しい。溶接工肺は、溶接に際して発生する酸化鉄ヒュームを主体とした溶接ヒュームのばく露によって発症するじん肺で、かつては比較的線維化を生じにくい良性じん肺と考えられていた。最近では、じん肺対策の主要な対象は溶接や研磨作業になっている。
(5)正しい。(3)の解説参照