第1種衛生管理者試験 2022年10月公表 問12

リスクアセスメント指針




問題文
トップ
受験勉強に打ち込む

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2022年10月公表問題 問12 難易度 リスクアセスメント指針の対策に関する問題である。正答できなければならない。
リスクアセスメント

問12 厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」において示されている化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切でないものは次のうちどれか。

(1)発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

(2)取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法

(3)発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法

(4)ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法

(5)対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法

正答(2)

【解説】

本問は、あくまでも2015年9月に改正された厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(以下、本問において「指針」という。)に関するものである。従って、これに基づいて解答する必要がある。

リスクの見積りは、指針「9 リスクの見積り」に記されている。

(1)正しい。指針9の(1)のアの(ア)に示された手法である。いわゆるマトリクス法と呼ばれる方法である。アクシデントによる急性ばく露のリスク評価に用いられる。

(2)誤り。指針9の(1)のアの(イ)に示された手法を改変している。正しくは「発生可能性及び重篤度を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等してリスクを見積もる方法」である。

いわゆる加算法又は乗算法と呼ばれる方法である。アクシデントによる急性ばく露のリスク評価に用いられる。

(3)正しい。指針9の(1)のアの(ウ)に示された手法である。いわゆるリソグラフ法と呼ばれる方法である。アクシデントによる急性ばく露のリスク評価に用いることはできないわけではないが、現実に用いられることはほとんどない。

(4)正しい。指針9の(1)のイの(エ)に示された手法である。慢性ばく露のリスク評価に用いられる。

(5)正しい。指針9の(1)のイの(ウ)に示された手法である。いわゆるコントロールバンディング法と呼ばれる方法である。慢性ばく露のリスク評価に用いられる。

2022年10月05日執筆