問10 労働基準法に基づき、満17歳の女性を就かせてはならない業務に該当しないものは次のうちどれか。
(1)異常気圧下における業務
(2)20㎏の重量物を断続的に取り扱う業務
(3)多量の高熱物体を取り扱う業務
(4)著しく寒冷な場所における業務
(5)土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2022年10月公表問題 | 問10 | 難易度 | 本問は、年少者である女性の保護規定であり、過去問をややひねってあるが、正答できなければならない。 |
---|---|---|---|
労基法による女性保護 | 4 |
問10 労働基準法に基づき、満17歳の女性を就かせてはならない業務に該当しないものは次のうちどれか。
(1)異常気圧下における業務
(2)20㎏の重量物を断続的に取り扱う業務
(3)多量の高熱物体を取り扱う業務
(4)著しく寒冷な場所における業務
(5)土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
正答(2)
【解説】
本問は、年少者である女性について問われているので、労基法のすべての女性の保護規定又は年少者の保護規定の双方が適用されることとなる。
すべての女性についての保護は、労働基準法第64条の3第2項によって規定されており、女性則第3条によって重量物取扱業務と有害物取扱業務が禁止されているのである。
また、年少者の保護は労働基準法第62条第1項及び第2項によって規定されており、年少則第7条及び第8条によって重量物取扱業務と様々な有害業務が禁止されているのである。
【労働基準法】
(危険有害業務の就業制限)
第62条 使用者は、満十八才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。
2 使用者は、満十八才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。
3 前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める。
(危険有害業務の就業制限)
第64条の3 使用者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
2 前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。
3 前二項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める。
【女性労働基準基則】
(危険有害業務の就業制限の範囲等)
第2条 法第六十四条の三第一項の規定により妊娠中の女性を就かせてはならない業務は、次のとおりとする。
一 次の表の上欄に掲げる年齢の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる重量以上の重量物を取り扱う業務
年齢 | 重量(単位 キログラム) | |
---|---|---|
断続作業の場合 | 継続作業の場合 | |
満十六歳未満 | 十二 | 八 |
満十六歳以上満十八歳未満 | 二十五 | 十五 |
満十八歳以上 | 三十 | 二十 |
二~十七 (略)
十八 次の各号に掲げる有害物を発散する場所の区分に応じ、それぞれ当該場所において行われる当該各号に定める業務
イ~ハ (略)
十九~二十四 (略)
2 (略)
第3条 法第六十四条の三第二項の規定により同条第一項の規定を準用する者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性以外の女性とし、これらの者を就かせてはならない業務は、前条第1項第一号及び第十八号に掲げる業務とする。
【年少者労働基準規則】
(重量物を取り扱う業務)
第7条 法第六十二条第一項の厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務は、次の表の上欄に掲げる年齢及び性の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる重量以上の重量物を取り扱う業務とする。
年齢及び性 | 重量(単位 キログラム) | ||
---|---|---|---|
断続作業の場合 | 継続作業の場合 | ||
満十六歳未満 | 女 | 十二 | 八 |
男 | 十五 | 十 | |
満十六歳以上満十八歳未満 | 女 | 二十五 | 十五 |
男 | 三十 | 二十 |
(年少者の就業制限の業務の範囲)
第8条 法第六十二条第1項の厚生労働省令で定める危険な業務及び同条第二項の規定により満十八歳に満たない者を就かせてはならない業務は、次の各号に掲げるものとする。ただし(以下略)
一~三十三 (略)
三十四 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
三十五 (略)
三十六 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
三十七 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
三十八 異常気圧下における業務
三十九~四十六 (略)
(1)就かせてはならない。年少則第8条第八号により、年少者を異常気圧下における業務に就かせてはならない。
(2)認められている。女性則第2条第一号及び年少則第7条により、17 歳の女性に断続的に重量物を取り扱う業務は、25kgまで認められている。
(3)就かせてはならない。年少則第8条第三十六号により、年少者を多量の高熱物体を取り扱う業務に就かせてはならない。
(4)就かせてはならない。年少則第8条第三十七号により、年少者を著しく寒冷な場所における業務に就かせてはならない。
(5)就かせてはならない。年少則第8条第三十四号により、年少者を土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務に就かせてはならない。