問38 肝臓の機能として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)血液中の身体に有害な物質を分解する。
(2)ブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄える。
(3)ビリルビンを分解する。
(4)血液凝固物質を合成する。
(5)血液凝固阻止物質を合成する。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2022年04月公表問題 | 問38 | 難易度 | 肝臓の機能に関する基本的な知識問題。確実に正答できなければならない。 |
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肝臓の機能 | 3 |
問38 肝臓の機能として、誤っているものは次のうちどれか。
(1)血液中の身体に有害な物質を分解する。
(2)ブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄える。
(3)ビリルビンを分解する。
(4)血液凝固物質を合成する。
(5)血液凝固阻止物質を合成する。
正答(3)
【解説】
肝臓には、代謝、解毒、胆汁生成の3つの機能があることを覚えておこう。肝臓が担う代謝は一言で言えば、栄養素の分解・合成である。解毒作用も代謝であるが、有害性の高い化学物質をより有害性の低い物質に分解する機能である。また、胆汁には胆汁酸、ビリルビン、コレステロールが含まれている。
(1)正しい。薬物、アルコール、毒素など血液中の身体に有害な物質を分解(代謝)して無害化するのは肝臓の重要な働きである。
(2)正しい。肝臓の重要な働きであるグリコーゲンの合成及び分解は、ブドウ糖(グルコース)を余剰時に貯蔵し、不足時に供給するために行われる。グリコーゲンの合成、分解は骨格筋でも行われるが、骨格筋の働きによってグルコースが血液中に供給されることはない。
(3)誤り。肝臓には、ビリルビンを分解する働きはない。
(4)正しい。プロトロンビン、フィブリノゲンなど血液凝固因子の多くは肝臓で合成される。血液凝固因子は出血時に止血の役目を果たす蛋白質で、ビタミンKによって合成が促進される。
(5)正しい。脂溶性の血液凝固を阻止する物質であるヘパリンは肝臓で生成される。肝臓のギリシャ語 “hepar” に由来して命名された。生理的凝固阻止因子であるアンチトロンビンⅢの作用を促進する働きがあるため、血液抗凝固剤として、播種性血管内凝固症候群、血栓塞栓症、人工透析などの治療で用いられる。