第1種衛生管理者試験 2022年4月公表 問21

衛生委員会に関する安衛法令の規定




問題文
トップ
受験勉強に打ち込む

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2022年04月公表問題 問21 難易度 衛生委員会に関する基本的な知識問題である。正答できなければならない問題である。
衛生委員会

問21 衛生委員会に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。

(1)衛生委員会の議長は、衛生管理者である委員のうちから、事業者が指名しなければならない。

(2)衛生委員会の議長を除く委員の半数は、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者が指名しなければならない。

(3)衛生管理者として選任しているが事業場に専属ではない労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することはできない。

(4)衛生委員会の付議事項には、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関することが含まれる。

(5)衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにし、議事で重要なものに係る記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。

正答(4)

【解説】

【労働安全衛生法】

(安全委員会)

第17条 (第1項 略)

 安全委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員(以下「第一号の委員」という。)は、一人とする。

 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者

 安全管理者のうちから事業者が指名した者

 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

 安全委員会の議長は、第一号の委員がなるものとする。

 事業者は、第一号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。

 前二項の規定は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。

(衛生委員会)

第18条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。

 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。

 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。

 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。

 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項

 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。

 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者

 衛生管理者のうちから事業者が指名した者

 産業医のうちから事業者が指名した者

 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。

 前条第三項から第五項までの規定は、衛生委員会について準用する。この場合において、同条第三項及び第四項中「第一号の委員」とあるのは、「第十八条第二項第一号の者である委員」と読み替えるものとする。

【労働安全衛生規則】

(衛生委員会の付議事項)

第22条 法第十八条第一項第四号の労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。

一~九 (略)

 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。

十一及び十二 (略)

(委員会の会議)

第23条 事業者は、安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会(以下「委員会」という。)を毎月一回以上開催するようにしなければならない。

2及び3 (略)

 事業者は、委員会の開催の都度、次に掲げる事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。

 委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容

 前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの

 (略)

(1)誤り。衛生委員会の議長は、安衛法第 18 条第4項が準用する第 17 条第3項の規定により、原則として「総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者」がなる。

(2)誤り。安衛法第 18 条第4項が準用する第17条第3項の規定により、衛生委員会の議長を除く委員の半数は、事業場の労働組合又は労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき事業者が指名しなければならない。

(3)誤り。安衛法第 18 条第2項(第二号)の規定により、衛生管理者として選任している者は、事業場に非専属の労働衛生コンサルタントであっても、衛生委員会の委員として指名することはできる。

(4)正しい。安衛法第 18 条第1項(第四号)及び安衛則第 22 条(第十号)の規定により、衛生委員会の付議事項には、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関することが含まれる。

(5)誤り。安衛則第 23 条第4項の規定により、衛生委員会は、議事で重要なものに係る記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。5年間ではない。なお、同条第1項の規定により、これを毎月1回以上開催するようにしなければならないことは正しい。

2022年04月03日執筆