問3 厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当するものは、次のうちどれか。
(1)酸性ガス用防毒マスク
(2)防振手袋
(3)化学防護服
(4)放射線装置室
(5)排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
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2022年04月公表問題 | 問03 | 難易度 | 構造規格の対象となるものは頻出事項である。本問は確実に正答したい。 |
---|---|---|---|
構造規格の対象 | 3 |
問3 厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当するものは、次のうちどれか。
(1)酸性ガス用防毒マスク
(2)防振手袋
(3)化学防護服
(4)放射線装置室
(5)排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー
正答(5)
【解説】
厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等の範囲は、安衛法第42条により定められている。この条文はきわめて分かりにくいが、別表第2に掲げるもの(及び安衛令第13条第1項に定めるもの)とされているのである。
そして、安衛令第十三条はその第二十九号に「チェーンソー(内燃機関を内蔵するものであつて、排気量が四十立方センチメートル以上のものに限る。)」が定められている。
従って(5)が正答となる。
なお、(1)の酸性ガス用防毒マスクについて説明すると、安衛法別表第2第九号には「防毒マスク」が掲げられている。しかし、安衛令第13条第5項が、安衛法別表第2そのものを下記のように限定しているのである。
すなわち、安衛令第13条第5項は、安衛法別表第2第9号に掲げる「防毒マスク」を「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの」に限られるとしているのである。この規定を受けて、安衛則第26条は、「その他厚生労働省令で定めるもの」を一酸化炭素用防毒マスク、アンモニア用防毒マスク及び亜硫酸ガス用防毒マスクと定めている。
従って「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき」防毒マスクは以下のものに限定されることとなる。
① ハロゲンガス用防毒マスク
② 有機ガス用防毒マスク
③ 一酸化炭素用防毒マスク
④ アンモニア用防毒マスク
⑤ 亜硫酸ガス用防毒マスク
すなわち(1)の酸性ガス用防毒マスクは構造規格の対象とならない。なお、第1種衛生管理者の受験対策としては、深く考えずにここまでの記述を覚えておくこと。
【労働安全衛生法】
(譲渡等の制限等)
第42条 特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。
別表第2 (第四十二条関係)
一~八 (略)
九 防毒マスク
十~十六 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等)
第13条 (第1項及び第2項 略)
3 法第四十二条の政令で定める機械等は、次に掲げる機械等(本邦の地域内で使用されないことが明らかな場合を除く。)とする。
一~二十八 (略)
二十九 チェーンソー(内燃機関を内蔵するものであつて、排気量が四十立方センチメートル以上のものに限る。)
三十~三十四 (略)
4 (略)
5 次の表の上欄に掲げる機械等には、それぞれ同表の下欄に掲げる機械等を含まないものとする。
(略) | (略) |
法別表第二第九号に掲げる防毒マスク | ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの以外の防毒マスク |
(略) | (略) |
【労働安全衛生規則】
(規格を具備すべき防毒マスク)
第26条 令第十三条第五項の厚生労働省令で定める防毒マスクは、次のとおりとする。
一 一酸化炭素用防毒マスク
二 アンモニア用防毒マスク
三 亜硫酸ガス用防毒マスク