問34 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)この指針は、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。
(2)このシステムは、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものである。
(3)このシステムでは、事業者は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものとして、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させる。
(4)このシステムでは、事業者は、安全衛生方針に基づき設定した安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成する。
(5)事業者は、このシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて調査及び評価を行うため、外部の機関による監査を受けなければならない。
このページは、試験協会が2021年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2021年10月公表問題 | 問34 | 難易度 | 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針は初出。基本的な問題だが、正答率は低かったか。 |
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OSHMS | 3 |
問34 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)この指針は、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。
(2)このシステムは、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものである。
(3)このシステムでは、事業者は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものとして、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させる。
(4)このシステムでは、事業者は、安全衛生方針に基づき設定した安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成する。
(5)事業者は、このシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて調査及び評価を行うため、外部の機関による監査を受けなければならない。
正答(5)
【解説】
本問は、問題文から明らかなように、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(以下、本問の解説において「指針」という。)についての設問である。なお、本指針は2019年7月1日に改正されている。
(1)正しい。指針第2条により、このシステムは、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。
【労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針】
第2条 この指針は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号。以下「法」という。)の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。
(2)正しい。指針第3条第一号により、このシステムは、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものである。
【労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針】
(定義)
第3条 この指針において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 労働安全衛生マネジメントシステム 事業場において、次に掲げる事項を体系的かつ継続的に実施する安全衛生管理に係る一連の自主的活動に関する仕組みであって、生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用されるものをいう。
イ~ニ (略)
二 (略)
(3)正しい。指針第5条第1項及び第2項により、このシステムでは、事業者は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものとして、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させる。
【労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針】
(安全衛生方針の表明)
第5条 事業者は、安全衛生方針を表明し、労働者及び関係請負人その他の関係者に周知させるものとする。
2 安全衛生方針は、事業場における安全衛生水準の向上を図るための安全衛生に関する基本的考え方を示すものであり、次の事項を含むものとする。
一~四 (略)
(4)正しい。指針第12条第1項により、このシステムでは、事業者は、安全衛生方針に基づき設定した安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成する。
【労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針】
(安全衛生計画の作成)
第12条 事業者は、安全衛生目標を達成するため、事業場における危険性又は有害性等の調査の結果等に基づき、一定の期間を限り、安全衛生計画を作成するものとする。
2 (略)
(5)誤り。システム監査とは、労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて、事業者が行う調査及び評価のことであり、実施者として事業場内部の者を避ける理由はない。外部の機関によらなければならないわけではない。
【労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針】
(定義)
第3条 この指針において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 (略)
二 システム監査 労働安全衛生マネジメントシステムに従って行う措置が適切に実施されているかどうかについて、安全衛生計画の期間を考慮して事業者が行う調査及び評価をいう。