問32 細菌性食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
(4)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
(5)ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。
このページは、試験協会が2021年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2021年10月公表問題 | 問32 | 難易度 | 細菌性食中毒は頻出事項。ここ数回は出題傾向が変化しており、今後もこの傾向は続くと思われる。 |
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細菌性食中毒 | 2 |
問32 細菌性食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
(4)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
(5)ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。
正答(4)
【解説】
(1)正しい。黄色ブドウ球菌そのものは熱に弱い。しかし、黄色ブドウ球菌による毒素であるエンテロトキシンは、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強い。100℃、20分程度の調理加熱では破壊されない。
(2)正しい。ボツリヌス菌は、缶詰、真空パック食品など、酸素のない食品中で増殖し、毒性の強い神経毒を産生する。
(3)正しい。腸炎ビブリオ菌は、好塩性であることから、当初の和名は「病原性好塩菌」とされていた。その後、ビブリオ属であることが分かり、1963年に「腸炎ビブリオ」と命名されたものである。好塩性のグラム陰性桿菌の一種である。
(4)誤り。サルモネラ菌による食中毒は、卵(加工品含む)、食肉製品、乳製品などの食品に付着した菌そのものによって発症する。サルモネラ菌は熱に弱いので、食品の加熱処理を行うことによって防止することが可能である。
(5)正しい。細菌が原因となる食中毒を細菌性食中毒という。ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。この他、本問のサルモネラ、ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌及び腸炎ビブリオもそうであるし、腸管出血性大腸菌などの病原大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフスA菌、コレラ菌、ナグビブリオ、ビブリオ・フルビアリス、ビブリオ・ミミカス、エロモナス・ハイドロフィラ、エロモナス・ソブリア、プレジオモナス・シゲロイデスなどがある。