問30 出血及び止血法並びにその救急処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)体内の全血液量は、体重の約13分の1で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
(2)傷口が泥で汚れているときは、手際良く水道水で洗い流す。
(3)止血法には、直接圧迫法、間接圧迫法などがあるが、一般人が行う応急手当としては直接圧迫法が推奨されている。
(4)静脈性出血は、擦り傷のときにみられ、傷口から少しずつにじみ出るような出血である。
(5)止血帯を施した後、受傷者を医師に引き継ぐまでに30分以上かかる場合には、止血帯を施してから30分ごとに1~2分間、出血部から血液がにじんでくる程度まで結び目をゆるめる。
このページは、試験協会が2021年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2021年10月公表問題 | 問30 | 難易度 | 出血及び止血法は頻出事項である。また、本問は基本を押さえておけば確実に正答できる問題である。 |
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出血及び止血法 | 2 |
問30 出血及び止血法並びにその救急処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)体内の全血液量は、体重の約13分の1で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
(2)傷口が泥で汚れているときは、手際良く水道水で洗い流す。
(3)止血法には、直接圧迫法、間接圧迫法などがあるが、一般人が行う応急手当としては直接圧迫法が推奨されている。
(4)静脈性出血は、擦り傷のときにみられ、傷口から少しずつにじみ出るような出血である。
(5)止血帯を施した後、受傷者を医師に引き継ぐまでに30分以上かかる場合には、止血帯を施してから30分ごとに1~2分間、出血部から血液がにじんでくる程度まで結び目をゆるめる。
正答(4)
【解説】
(1)正しい。大人の体には約4~5L(体重のおよそ13分の1程度)の血液があり、出血によって1L以上の血液が失われると生命に危険が及ぶとされている。
(2)正しい。傷口が泥で汚れているときは、手際良く水道水で洗い流せばよい。消毒する必要はない。
(3)正しい。止血法には、直接圧迫法、間接圧迫法などがある。止血の基本は圧迫であり、出血部位を清潔なガーゼや布で強く押さえる直接圧迫止血法が推奨されている。
(4)誤り。静脈性出血は、暗赤色の血液が、傷口から持続的にわき出てくる出血である。本肢の「擦り傷のときにみられ、傷口から少しずつにじみ出るような出血」は、毛細血管性出血と思われる。
(5)正しい。止血をしていると、その場所から先の部分が暗赤紫色となる(チアノーゼ)。30分に1回緩めて血流の再開を図れば、筋肉、神経などにあまり障害を生じないとされている。暖めると、チアノーゼが解消して赤味がさしてくるので、赤味が末梢に行きわたったら再び止血帯をしばる。
- (1):日本赤十字社の「多量の出血」のページを参照した。
- (1)、(2)及び(3):埼玉県央広域消防本部「止血法」のページを参照した。
- (3)及び(4):大船渡地区消防組合「止血法」のページを参照した。