問17 電離放射線などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)電離放射線には、電磁波と粒子線がある。
(2)エックス線は、通常、エックス線装置を用いて発生させる人工の電離放射線であるが、放射性物質から放出されるガンマ線と同様に電磁波である。
(3)エックス線は、紫外線より波長の長い電磁波である。
(4)電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れることが多い。
(5)電離放射線を放出してほかの元素に変わる元素を放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という。
このページは、試験協会が2021年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2021年10月公表問題 | 問17 | 難易度 | 電離放射線に関する過去問になかった新たな問題。内容は基本的なもの。正答しておきたい。 |
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電離放射線 | 5 |
問17 電離放射線などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)電離放射線には、電磁波と粒子線がある。
(2)エックス線は、通常、エックス線装置を用いて発生させる人工の電離放射線であるが、放射性物質から放出されるガンマ線と同様に電磁波である。
(3)エックス線は、紫外線より波長の長い電磁波である。
(4)電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れることが多い。
(5)電離放射線を放出してほかの元素に変わる元素を放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という。
正答(3)
【解説】
(1)正しい。電離放射線には、電磁波と粒子線がある。電磁波の例としてはガンマ線とエックス線があり、粒子線の例としてはアルファ線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線がある。
(2)正しい。エックス線とガンマ線はいずれも電磁波であり、その違いは発生機構の違いによるものである。ガンマ線は、放射性核種の原子核崩壊によって発生する。一方、エックス線は軌道電子の遷移によって発生するもので、エックス線装置を用いて発生させる。
エネルギが同じであれば、ガンマ線とエックス線は同じものであり、区別することはできない。
(3)誤り。エックス線及び紫外線が、いずれも電磁波であることは正しい。しかし、エックス線(波長:10nm~1pm)の波長は、紫外線(波長:100nm~380nm)よりも短い。
(4)正しい。被爆から発症までが数週間までのものを急性影響と呼び、数か月以上のものを挽発性影響と呼ぶ。白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れることが多い。
(5)正しい。電離放射線を放出してほかの元素に変わる元素を放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という。