問34 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく、重量物取扱い作業における腰痛予防対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)労働者全員に腰部保護ベルトを使用させる。
(2)取り扱う物の重量をできるだけ明示し、著しく重心の偏っている荷物は、その旨を明示する。
(3)重量物を取り扱うときは、急激な身体の移動をなくし、前屈やひねり等の不自然な姿勢はとらず、かつ、身体の重心の移動を少なくする等、できるだけ腰部に負担をかけない姿勢で行う。
(4)重量物を持ち上げるときには、できるだけ身体を対象物に近づけ、重心を低くするような姿勢をとる。
(5)重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。
このページは、試験協会が2021年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2021年04月公表問題 | 問34 | 難易度 | 腰痛予防対策指針に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
---|---|---|---|
腰痛予防対策指針 | 2 |
問34 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく、重量物取扱い作業における腰痛予防対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)労働者全員に腰部保護ベルトを使用させる。
(2)取り扱う物の重量をできるだけ明示し、著しく重心の偏っている荷物は、その旨を明示する。
(3)重量物を取り扱うときは、急激な身体の移動をなくし、前屈やひねり等の不自然な姿勢はとらず、かつ、身体の重心の移動を少なくする等、できるだけ腰部に負担をかけない姿勢で行う。
(4)重量物を持ち上げるときには、できるだけ身体を対象物に近づけ、重心を低くするような姿勢をとる。
(5)重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6か月以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。
正答(1)
【解説】
本問は、問題文から明らかなように、職場における腰痛予防対策指針(以下、本問の解説中において「指針」という。)からの出題である。
指針の、基本的なところは押さえておくようにしたい。なお、指針は、2013年(平成25年)6月に改訂されているが、検索すると古い指針がヒットすることがあるので留意すること。
(1)誤り。指針は、「腰部保護ベルトは、個人により効果が異なるため、一律に使用するのではなく、個人毎に効果を確認してから使用の適否を判断すること」としている。腰痛予防ベルトは、取り扱いを誤ると、かえって腰痛のリスクを増すことがあることに留意するべきである。
(2)正しい。指針の「作業態様別の対策」の「1 重量物取扱い作業」の項で、「実際の重量が、外見とは大きく異なり、誤った力の入れ方、荷物の反動等により、腰部に予期せぬ負担が発生し、腰痛を引き起こすことがある。取り扱う荷物の重量を表示することにより、労働者が、あらかじめ当該荷物の重量を知り、持ち上げる等の動作に当たり、適切な構えで行うことが可能となる」されている。
(3)正しい。指針別紙の「作業態様別の対策」の「I 重量物取扱い作業」に、「重量物を取り扱うときは、急激な身体の移動をなくし、前屈やひねり等の不自然な姿勢はとらず、かつ、身体の重心の移動を少なくする等できるだけ腰部に負担をかけない姿勢で行うこと」とされている。
(4)正しい。指針は「床面等から荷物を持ち上げる場合は、片足を少し前に出し、膝を曲げてしゃがむように抱え(図a:略)、この姿勢から膝を伸ばすようにすることによって、腰ではなく脚・膝の力で持ち上げる。両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる前屈姿勢(図b:略)を取らないようにする」としている。
(5)正しい。指針は「重量物取扱い作業、介護・看護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、(中略)医師による腰痛の健康診断を実施すること」とされている。特殊健康診断は、通達によるものであっても6月以内ごとに1回とされているものが多い。