第1種衛生管理者試験 2021年4月公表 問21

衛生管理者の職務又は業務




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合格

 このページは、試験協会が2021年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2021年04月公表問題 問21 難易度 衛生管理者に管理させるべき業務に関する基本的な知識問題。確実に正答できなければならない問題。
衛生管理者の職務等

問21 衛生管理者の職務又は業務として、法令上、定められていないものは次のうちどれか。

ただし、次のそれぞれの業務は衛生に関する技術的事項に限るものとする。

(1)健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。

(2)労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

(3)安全衛生に関する方針の表明に関すること。

(4)少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずること。

(5)労働者の健康を確保するため必要があると認めるとき、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすること。

正答(5)

【解説】

衛生管理者の業務は、安衛法第 12 条第1項の規定により、同第 10 条第1項各号の業務(総括安全衛生管理者の業務)のうち、衛生に係る技術的事項とされている。なお、同第 10 条第1項第五号の業務は、安衛則第3条の2に定められている。

【労働安全衛生法】

(総括安全衛生管理者)

第10条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。

 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。

 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。

 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

2及び3 (略)

(衛生管理者)

第12条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し、その者に第10条第1項各号の業務(第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第1項各号の措置に該当するものを除く。)のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。

 (略)

【労働安全衛生規則】

(総括安全衛生管理者が統括管理する業務)

第3条の2 法第10条第1項第五号の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとする。

 安全衛生に関する方針の表明に関すること

 法第28八条の2第1項又は第57条の3第1項及び第2項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること。

 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。

(衛生管理者の定期巡視及び権限の付与)

第11条 衛生管理者は、少なくとも毎週一回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

 事業者は、衛生管理者に対し、衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければならない。

(1)正しい。安衛法第 10 条第1項第三号に定められている。

(2)正しい。安衛法第 10 条第1項第四号に定められている。

(3)正しい。安衛則第3条の2第一号に定めらている。ただし、安全衛生に関する方針の表明そのものは総括安全衛生管理者の職務であることに留意すること。

(4)正しい。安衛則第 11 条第1項に定めらている。

(5)誤り。安衛法第13条第5項により、事業者に対して行う労働者の健康管理等についての必要な勧告は産業医の権限である。

2021年04月15日執筆