問34 出血及び止血法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)体内の全血液量は、体重の13分の1程度で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
(2)動脈性出血は、鮮紅色を呈する拍動性の出血で、出血量が多いため、早急に、細いゴムひもなどを止血帯として用いて止血する。
(3)静脈性出血は、傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血で、通常、直接圧迫法で止血する。
(4)内出血は、胸腔、腹腔などの体腔内や皮下などの軟部組織への出血で、血液が体外に流出しないものである。
(5)間接圧迫法は、動脈性の出血が激しく続いているようなときに、ガーゼや包帯を準備する間に行う方法である。主に手や足からの出血の場合、出血している部位より心臓側に近い部位の止血点を手や指で圧迫して血流を遮断して、止血する。
このページは、試験協会が2020年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2020年10月公表問題 | 問34 | 難易度 | 出血及び止血法に関する基本的な知識問題。正答できなければならない。 |
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出血及び止血法 | 4 |
問34 出血及び止血法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)体内の全血液量は、体重の13分の1程度で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
(2)動脈性出血は、鮮紅色を呈する拍動性の出血で、出血量が多いため、早急に、細いゴムひもなどを止血帯として用いて止血する。
(3)静脈性出血は、傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血で、通常、直接圧迫法で止血する。
(4)内出血は、胸腔、腹腔などの体腔内や皮下などの軟部組織への出血で、血液が体外に流出しないものである。
(5)間接圧迫法は、動脈性の出血が激しく続いているようなときに、ガーゼや包帯を準備する間に行う方法である。主に手や足からの出血の場合、出血している部位より心臓側に近い部位の止血点を手や指で圧迫して血流を遮断して、止血する。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。大人の体には約4~5L(体重のおよそ13分の1程度)の血液があり、出血によって1L以上の血液が失われると生命に危険が及ぶとされている。
(2)誤り。動脈性出血は、鮮紅色を呈する拍動性の出血で、出血量が多いことは正しい。しかし、動脈性出血か静脈性出血かを問わず、基本的な止血法は直接圧迫止血法であり、まずこの方法で止血を試みる。従って、本肢は誤りである。
なお、直接圧迫止血法で効果がない場合は、止血帯止血法を行う。これは止血帯によって止血する方法(※)であるが、止血帯としては帯状のものを用い、細いゴムひもなどは血管組織を損傷させるおそれがあるので用いてはならない。この意味でも本肢は誤りとなる。
※ この方法は、熟練していない者が行うと、神経や血管を痛めるおそれがある。また、上肢又は下肢の出血の場合しか使えない。
(3)正しい。静脈性出血は、暗赤色の血液が、傷口から持続的にわき出てくる出血である。通常、直接圧迫法で止血する。
(4)正しい。本肢の通りである。
(5)正しい。間接圧迫法は、出血部位より心臓に近い部位の動脈を圧迫する方法で、それぞれの部位の止血点を指で骨に向けて強く圧迫するのがコツである。
- (1)及び(2):日本赤十字社の「多量の出血」のページを参照した。
- (1)及び(5):埼玉県央広域消防本部「止血法」のページを参照した。
- (2)及び(3):大船渡地区消防組合「止血法」のページを参照した。