問28 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいという特性がある。
(2)心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を早期に発見する「一次予防」、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。
(3)労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織などの要因によって影響を受けるため、メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多いことに留意する。
(4)「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的かつ計画的に行う。
(5)メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。
このページは、試験協会が2020年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2020年10月公表問題 | 問28 | 難易度 | メンタルヘルスに関する基本を押さえておけば確実に正答できる問題。落とさないようにしよう。 |
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メンタルヘルス指針 | 2 |
問28 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいという特性がある。
(2)心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を早期に発見する「一次予防」、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。
(3)労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織などの要因によって影響を受けるため、メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多いことに留意する。
(4)「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的かつ計画的に行う。
(5)メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。
正答(2)
【解説】
本問は、労働者の心の健康の保持増進のための指針(以下、本問の解説中において「メンタルヘルス指針」という。)からの出題である。
(1)適切である。指針は、「2 メンタルヘルスケアの基本的考え方」において留意すべき事項を4つあげており、その「① 心の健康問題の特性」として「心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、その評価には労働者本人から心身の状況に関する情報を取得する必要があり、さらに、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しい」としている。
(2)不適切である。指針では一次予防を「ストレスチェック制度の活用や職場環境等の改善を通じて、メンタルヘルス不調を未然に防止する」ものとして位置づけ、二次予防を「メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う」としている。本肢の「メンタルヘルス不調を早期に発見する」のは二次予防である。
なお、一般的な用語としては、一次予防とは「積極的な健康増進策による未然防止」、二次予防は「(疾病の)早期発見・早期対処」、三次予防は「増悪防止・再発防止・職業との両立等」を意味する。
(3)適切である。指針は、「2 メンタルヘルスケアの基本的考え方」において留意すべき事項を4つあげており、その「③ 人事労務管理との関係」として「労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織等の人事労務管理と密接に関係する要因によって、大きな影響を受ける。メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多い」としている。
(4)適切である。指針は、「5 4つのメンタルヘルスケアの推進」において、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的かつ計画的に推進することが重要であるとしている。
(5)適切である。指針は、「7 メンタルヘルスに関する個人情報の保護への配慮」の「(1)労働者の同意」において、「メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、事業者はあらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい」としている。