問33 細菌性食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(4)腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
(5)セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。
このページは、試験協会が2020年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2020年04月公表問題 | 問33 | 難易度 | 細菌性食中毒は頻出事項だが、やや過去問と内容が異なる。今後に備え正答できるようにしておこう。 |
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細菌性食中毒 | 4 |
問33 細菌性食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
(2)ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
(3)黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
(4)腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
(5)セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。サルモネラ菌による食中毒は、卵(加工品含む)、食肉製品、乳製品などの食品に付着した菌そのものによって発症する。サルモネラ菌は熱に弱いので、食品の加熱処理を行うことによって防止することが可能である。
(2)正しい。ボツリヌス菌は、缶詰、真空パック食品など、酸素のない食品中で増殖し、毒性の強い神経毒を産生する。
(3)正しい。黄色ブドウ球菌そのものは熱に弱い。しかし、黄色ブドウ球菌による毒素であるエンテロトキシンは、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強い。100℃、20分程度の調理加熱では破壊されない。
(4)正しい。腸炎ビブリオ菌は、好塩性であることから、当初の和名は「病原性好塩菌」とされていた。その後、ビブリオ属であることが分かり、1963年に「腸炎ビブリオ」と命名されたものである。好塩性のグラム陰性桿菌の一種である。
(5)正しい。細菌が原因となる食中毒を細菌性食中毒という。セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。この他、本問のサルモネラ、ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌及び腸炎ビブリオもそうであるし、腸管出血性大腸菌などの病原大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフスA菌、コレラ菌、ナグビブリオ、ビブリオ・フルビアリス、ビブリオ・ミミカス、エロモナス・ハイドロフィラ、エロモナス・ソブリア、プレジオモナス・シゲロイデス、ウェルシュ菌などがある。