問31 虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)運動負荷心電図検査は、心筋の異常や不整脈の発見には役立つが、虚血性心疾患の発見には有用でない。
(2)虚血性心疾患発症の危険因子には、高血圧、喫煙、脂質異常症などがある。
(3)虚血性心疾患は、狭心症と心筋梗塞とに大別される。
(4)狭心症は、心臓の血管の一部の血流が一時的に悪くなる病気である。
(5)狭心症の痛みの場所は、心筋梗塞とほぼ同じであるが、その発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内におさまることが多い。
このページは、試験協会が2020年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2020年04月公表問題 | 問31 | 難易度 | 虚血性心疾患に関するやや高度な知識問題である。難問の部類に入るだろう。 |
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虚血性心疾患 | 5 |
問31 虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)運動負荷心電図検査は、心筋の異常や不整脈の発見には役立つが、虚血性心疾患の発見には有用でない。
(2)虚血性心疾患発症の危険因子には、高血圧、喫煙、脂質異常症などがある。
(3)虚血性心疾患は、狭心症と心筋梗塞とに大別される。
(4)狭心症は、心臓の血管の一部の血流が一時的に悪くなる病気である。
(5)狭心症の痛みの場所は、心筋梗塞とほぼ同じであるが、その発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内におさまることが多い。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。心筋の異常や不整脈の検査は、安静状態での心電図検査によって行われることが多い。運動負荷心電図検査には、マスター2段試験とトレッドミル試験があり、トレッドミル検査では、安静時では発見できない虚血性心疾患や不整脈の診断などを行う。
(2)正しい。「虚血性心疾患の一次予防ガイドライン(2012年改訂版)」(2015/2/5 更新版)によれば、虚血性心疾患発症の危険因子として、脂質異常症、高血圧、糖尿病、体重、喫煙、精神保健などがあると指摘されている。
(3)正しい。虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊死が起こる心筋梗塞とに大別される。狭心症では数分間の痛みがあるが、通常は安静にしていれば回復する。心筋梗塞は、強い痛みが続き、安静にしていても回復しない。
(4)正しい。狭心症は、冠状動脈が細くなって血流が不十分な状態になり、心筋虚血(心臓を動かす血液が不足する)状態で、胸痛や胸の圧迫感を感じる病気である。
(5)正しい。狭心症の痛みの場所は、心筋梗塞とほぼ同じであるが、その発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内であることが多い。
冠動脈が完全に塞がると、その部分の心筋細胞が壊死して、症状も長時間続くが、この状態は急性心筋梗塞症である。