第1種衛生管理者試験 2020年4月公表 問23

衛生委員会




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合格

 このページは、試験協会が2020年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年04月公表問題 問23 難易度 衛生委員会に関する基本的な知識問題である。正答できなければならない問題である。
衛生委員会

問23 衛生委員会に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。

(1)衛生委員会の議長は、衛生管理者である委員のうちから、事業者が指名しなければならない。

(2)衛生委員会の議長を除く全委員は、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。

(3)衛生管理者として選任しているが事業場に専属ではない労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することはできない。

(4)当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するものを衛生委員会の委員として指名することができる。

(5)衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにし、重要な議事に係る記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。

正答(4)

【解説】

【労働安全衛生法】

(安全委員会)

第17条 (第1項 略)

 安全委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員(以下「第一号の委員」という。)は、1人とする。

 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者

 安全管理者のうちから事業者が指名した者

 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

 安全委員会の議長は、第一号の委員がなるものとする。

 事業者は、第一号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。

 前2項の規定は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。

(衛生委員会)

第18条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。

 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。

 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。

 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。

 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項

 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、1人とする。

 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者

 衛生管理者のうちから事業者が指名した者

 産業医のうちから事業者が指名した者

 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。

 前条第3項から第5項までの規定は、衛生委員会について準用する。この場合において、同条第3項及び第4項中「第一号の委員」とあるのは、「第18条第2項第一号の者である委員」と読み替えるものとする。

【労働安全衛生規則】

(委員会の会議)

第23条 (第1項及び第2項 略)

 事業者は、委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を次に掲げるいずれかの方法によつて労働者に周知させなければならない。

 常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること。

 書面を労働者に交付すること。

 事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体をいう。以下同じ。)をもつて調製するファイルに記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

 事業者は、委員会の開催の都度、次に掲げる事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。

 委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容

 前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの

 (略)

(1)誤り。衛生委員会の議長は、安衛法第18条第4項が準用する第17条第3項の規定により、原則として「総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者」がなる。

(2)誤り。安衛法第18条第4項が準用する第17条第3項の規定により、衛生委員会の議長を除く委員の半数は、事業場の労働組合又は労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。

(3)誤り。安衛法第18条第2項(第二号)の規定により、衛生管理者として選任している者は、事業場に非専属の労働衛生コンサルタントであっても、衛生委員会の委員として指名することはできる。

(4)正しい。安衛法第18条第2項(第四号)の規定により、当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するものを衛生委員会の委員として指名することができる。

(5)誤り。安衛則第23条第4項により、衛生委員会を毎月1回以上開催するようにすることは正しい。しかし、作成するべき記録は、重要な議事に係る記録のみならず「委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容」の記録も作成しなければならない。また、その保存すべき義務は3年間である。

2020年07月26日執筆