問11 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すので、大きな排風量が必要となる。
(3)ドラフトチェンバ型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、外付け式フードに分類される。
(4)建築ブース型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、外付け式フードに分類される。
(5)ダクトは、曲がり部分をできるだけ少なくするように配管し、主ダクトと枝ダクトとの合流角度は45°を超えないようにする。
このページは、試験協会が2020年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2020年04月公表問題 | 問11 | 難易度 | 局所排気装置に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
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局所排気装置 | 3 |
問11 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すので、大きな排風量が必要となる。
(3)ドラフトチェンバ型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、外付け式フードに分類される。
(4)建築ブース型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、外付け式フードに分類される。
(5)ダクトは、曲がり部分をできるだけ少なくするように配管し、主ダクトと枝ダクトとの合流角度は45°を超えないようにする。
正答(5)
【解説】
本問は、局所排気装置の基本を問うものである。(5)はやや高度な内容であるが、他は基本が分かっていれば誤りだと分かるだろう。それによって(5)の45度について分からなくても正答できるのではないか。
局所排気装置の具体的な形状は厚生労働省の「換気」の資料を参照されたい。なお、この資料は熟読することをお勧めする。
(1)誤り。これは常識で誤りだと分かるだろう。口に細いストローを加えて息を吹き出す場合と、太いストローを咥えた場合で、どちらの方が力を要するかを考えてみればよい。断面積が大きくなるほど圧力損失が増すはずがあるまい。なお、ダクトの形状には円形、角形などがあることは正しい。
具体的には、円形の直線ダクトの場合、圧力損失は長さに比例し直径に反比例する。
(2)誤り。外付け式局所排気装置では、フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、排風量が節約できる。そもそもフランジを付けたら排風量を大きくしなければならないなら、わざわざフランジを付けるはずはあるまい。
(3)誤り。囲い式とは有害物質の発散源を囲う形状で、外付け式とは囲わない方式である。ドラフトチェンバ型フードは、囲い式に該当する。
これに対し、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するものとしては、グラインダーからの粉じんを吸引するために飛散する方向にフードを設けるタイプがある。これは、レシーバー式と呼ばれ、外付け式フードに分類される。
(4)誤り。建築ブース型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
(5)誤りとは言えない。ダクトは、曲がり部分をできるだけ少なくするように配管することは法令事項(例:有機則第14条第2項、特化則第7条第1項など)である。
また、主ダクトと枝ダクトとの合流部では、枝ダクト側の圧力損失は角度が大きいほど大きくなる。そのため、実務においては角度は45°を超えないようにすることが多い。